心理学,  西洋占星術

水瓶座の時代:思い込みを覆す

冥王星が山羊座に本格的に入室する、2024年の11月20日から、水瓶座の時代が本格的にはじまります。冥王星は、水瓶座が象徴するものを、大胆に破壊して再生していきます。冥王星が山羊座に入った直後の2009年に、リーマンショックがおこり、企業社会、経済、既存の権力構造などを、破壊して、再生していきました。

山羊座時代に、より堅強になって再築された、社会インフラ、建築物や政治的な権力構造などは、水瓶座地代になっても、本質的には変わりません。実際にこの時代に生まれた世代は、ホロスコープのネイティブチャートで、冥王星が山羊座に入っています。この人たちは、40代、50代になり、権力構造の中枢を担っていくにつれて、山羊座の社会的勢力の変容を、実体験を通じて感じていくでしょう。

一方で、冥王星は山羊座から退室して、今度は水瓶座が象徴するものを、破壊して、再生していきます。重要なことは、再生するまえに、大胆に破壊するということです。これは、山羊座時代に造られた社会インフラを破壊するのではなくて、水瓶座が象徴するものを、破壊するのです。

それでは、水瓶座が象徴するものについて、まとめてみましょう。

水瓶座は、双子座、天秤座とともに、のエレメントの星座です。占星術の12の星座は、お羊座から始まって、魚座を最後にして終了します。各星座は、最初にはじまる若い星座は、個人を表し、黄道を1周して、星座が年を重ねていくほど、社会や宇宙など、より広いグループを象徴するようになります。

の星座では、双子座は自己のアイデンティティーなどを象徴する個人、天秤座はパートナーシップ、もしくは家族などの、規模が小さくて親密的なグループをあらわす個人と他者、そして水瓶座は、社会や国家規模のような大きなグループ、さらには地球や宇宙、というような個人と集合体に影響を与える星座です。

は空気のように目に見えないもの象徴するので、情報、思考、意識、などを表すエレメントです。私たちが、「空気をよむ」という日本語をつかうときに、空気が風の象徴です。水瓶座は、人々の情報や思考を社会レベルで影響を与えるので、情報インフラ、コンピュータ、マスメディア、公教育などが、水瓶座地代に重要なテーマになります。

さらに、山羊座がピラミット型の縦社会を象徴するのに対して、水瓶座が構築する社会は、フラットな横社会です。平和で、分け隔てのない、自由で博愛的な、共生社会をつくりあげていきます。山羊座の価値観とは相反する新しい理想をもとめて、水瓶座は社会を再構築していきます。

前回、冥王星が水瓶座に入室したのは、1777年で、それから20年間ほど、水瓶座に滞在しています。その間、1983年には、アメリカが独立し、1789年にはフランス革命がおこりました。イギリスでは、綿工業が発達し、賃金労働者を雇用して、大量生産を可能にすることで、巨大な富が集中するようになりました。まさに、水瓶座が冥王星に入室したときは、世界の産業構造がかわり、社会の基盤が再構築されていったのです。

縦社会のヒエラルキーを、フラットな共生社会にかえるためには、人々の集合意識をダイレクトに変容していく必要があります。山羊座の時代に堅強になった縦社会は、ピラミットに属する全ての人の集合意識によって、支えられています。潜在意識は、集合的無意識に合致する価値観のものを率先的にとりこみ、価値観からはずれるものを、「怪しい」ものとして、排除していきます。揺るぎない政治、安定した大企業、永続的な血縁関係、安心できる医療、このような人々の恒久的な値観は、潜在意識に集合的無意識として裏付けられているからこそ、共有できています。

しかし、フラットな横社会を構築していくためには、山羊座時代に築きあげて、堅強な集合的無意識を、じわりじわりと揺さぶって、徐々に破壊していく必要があります。とくに、水瓶座には、博愛と自由、平和というテーマがあるので、社会的な性善説、この社会が人々の善意でつくられている、といような漠然として楽観的な集合意識、再考するように施していくでしょう。

最近私は、とても水瓶座らしいと思ったことがあるので、一つ例を挙げたいと思います。個人的に、ウイルス性のイボの治療法について調べていたのですが、木酢液という、木炭や竹炭を製造する際に発生する煙を冷却してつくる水溶液が、イボの治療に効果があることがわかりました。木酢液は本来、農業や畜産業ではさまざまな用途で使用されていますが、医療目的で使うものではなく、イボの治療としては、単なる民間療法でしかありません。医療情報では、正規の医療機関のWebしか、グーグルの検索の上位に表示されません。それゆえに、検索結果の上位リストにのったWebでは、木酢液はイボ治療にエビデンスがないので、イボの治療はクリニックで行うことを推奨していました。

しかしながら、木酢液を利用してみたという、AmazonやYahoo、楽天での口コミが、どんな医療的なエビデンスよりも説得力がありました。どうやら、木酢液は、子どもが患う、アレルギー性の水イボには効果が薄いようでした。しかしながら、もう何年も、中には10年以上もの間、クリニックや医療機関で、液体窒素やCO2レイザーで治療をしても治らなかったというイボが、木酢液で簡単に完治して、その後も発症していない、という口コミが、何百件もあったのです。

グーグルのAIは、空気は読めないので、医療機関で治療して、といっている医院のHPの主張が、とても虚しいものにみえ、逆にトップに表示されているのが、なんだか気の毒でした。

GoogleもAmazonも、山羊座時代のできた社会的な情報インフラなので、ピラミッド社会のトップを占める、大手企業が有利になるように作られています。しかし、そのようなフレームワークの中でも、人々の民意が、出来るだけ公平に反映されるようになっているところが、非常に興味深いと思います。

とくに、正規の医療機関に対抗するような意見が、圧倒的な多数派意見として表示される、という現象が、いかにも水瓶座っぽいです。医療というのは、水瓶座の博愛主義を象徴する社会領域だからです。最近では、Yahooのコメント欄でも、似たような事象がみられます。正規の意見、公に「これが正解」というような専門家の意見と、全く対照的な批判意見が、コメント欄の多数を占めているのです。

「水瓶座」の時代では、このように、人々の集合的無意識の中で、「これが正解」と認知されていた常識を、真正面から否定して、覆していく事象が、多くみられるようになっていきます。私たちが、無意識として、「これが正解」と感じていた事象が、改めてこんなに多かったんだと気づかされることでしょう。

例えば、「医者のいうことは常に正しい」とか、「大企業が生産しているものだから絶対安心だ」とか、「全ての親は子どもを愛する」など、私たちの集合的無意識で判断している、楽観的な思い込みは、非常に多くあります。しかしながら、これらの価値基準は、認知バイヤスとして機能しているけれど、私たちが意識的に見直そうとする機会は、それほど多くはありません。なぜなら、これらは、無意識による思い込みだからです。

しかし、「破壊と再生」を象徴する冥王星は、私たちの集合的無意識に、耐えがたい勢いで揺さぶりをかけていきます。それは、人によっては、多くの苦しみを伴います。潜在意識は、常に現状を維持しようとするので、既存の価値観や常識を大きく覆すことに激しく抵抗するのです。

水瓶座の博愛主義や、自由、平等、共生という一見して、平和で高尚な理念も、山羊座時代の集合的無意識に生きてきた人々にとっては、時として残酷です。安心だと思っていたものが、危険極まりないものだと知り、愛されていると思っていたものが、エゴでしかなかったと知り、平和的な共生社会だと思っていたものが、突如として、乱暴な暴力社会だと思い知らされたりするのです。

それでも、大きな宇宙の流れからみれば、そのような苦しみは一時的なものでしかありません。宇宙はより大胆に、水瓶座が象徴する社会へと、私たちの集合意識を変革していくことでしょう。

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