水瓶座の時代:新たな真実と向き合う
水瓶座の支配星は、天王星ですが、副支配星として、土星が割り当てられています。これは、天王星が発見されたのは1781年で、占星術の歴史からみると比較的最近で、それ以前の占星術では土星が水瓶座の支配星だったからです。
土星は、山羊座の支配星でもあり、山羊座から水瓶座に時代が動いても、支配星という意味においては、同じ土星の時代が続くことになります。
一見すると、地の星座の山羊座と、風の星座水瓶座には、全く異なった性質の星座のようで、あまり共通点はないようにみえます。が、どちらも集団、組織、社会の基盤に大きな影響を与える星であり、山羊座は物質的に目にみえるものを堅強にし、水瓶座は、目に見えない空気のようなもの、世相、情報、メディアなどを再構築していきます。そして、どちらもルールに厳格で、精密に計算されて、合理的に計画、運用されなければいけません。土星のごとく、一見冷たいとか、厳しいとか、印象をもたれることもあったとしても、その冷たさには、理由があるのです。
土星は、2020年の3月から2023年の3月までの二年間、水瓶座に滞在していました。面白いことに、日本ではこの時期、感染症への対応から、もっとも社会的な規制が厳しかったころです。土星は3月には魚座に抜けると同時に、緩やかに規制が取り外されていき、2020年以前の日常がもどってきました。
土星の水瓶座入り
- 2020/03/22 水瓶座
水瓶座は、自由を尊ぶ星座なので、土星による干渉や、厳格なルールなどとは本来相容れない側面ももっています。しかし、この時の経験を経たからこそ、水瓶座がもとめる、平等、博愛、自由などと言うテーマを、再認識する契機になったはずです。
それは、技術革新によるコミュニケーションの方法かもしれないし、親しい友人や家族との関係性かもしれないし、働き方や勤め先との関係性かもしれないし、医療や健康との向き合い方かもしれません。得られた認識は、人によって違うと思いますが、この期間に感じた直感は、これから20年間の方向性に、大きく影響を与えるものとなるはずです。
土星がもたらす社会的な規制や制限と、人々の思考に与える実質的な影響は、決して楽観的なものではありません。どちらかというと、大変厳しいものであったかもしれません。しかし、この時の経験があったからこそ、普通の日常の生活がおくれることに、感謝の気持ちがもてるようになります。
土星が水瓶座から抜けて魚座に入った2023年3月から1年間は、比較的穏やかな日常がおくれそうですが、2024年の3月から、冥王星が星座を移動し、2025年には海王星と天王星が移動することによって、社会の雰囲気がまたがらっとかわることになります。
冥王星、海王星、天王星の3惑星は、太陽の周りを非常に大きな時間をかけて公転するので、一つの星座に滞在する時間も、必然的に長くなります。それゆえに、これらの惑星が、星座を移動することは、宇宙的なビックイベントなのです。
とくに、冥王星が、水瓶座に入室すること、さらには、天王星が双子座に移動することによって、風の時代が本格化します。冥王星は、「破壊と再生」がテーマとなる惑星で、水瓶座が象徴している事象を、一度大胆に破壊して、再構築していきます。
そして、天王星は、水瓶座の支配星です。天王星は、「革命」がテーマとなる星で、奇抜なアイデアや技術革新によって、変化を促進します。海王星は、「目にみえないもの」を象徴して、芸術や音楽、薬品や麻薬、石油やガスなどのエネルギーをあらわします。
冥王星が水瓶座、天王星が双子座と、それぞれ風のサインの星座に入ることによって、より風の要素が重要な時代へと変化していきます。さらに、海王星は、水瓶座と双子座の間にある牡羊座に入ることによって、この二つの惑星を後押しします。牡羊座は、12星座の最初の星座でもあるので、海王星がテーマとしていることが、全てリセットされて、新しいフェーズに入る、ということも意味しています。
冥王星の水瓶座入り
- 2008/11/27 山羊座
海王星の牡羊座入り
- 2012/02/04 魚座
天王星の双子座入り
- 2019/03/06 牡牛座
土星が水瓶座に入っていた、2020年から2023年の教訓をへて、私たちは、2024年の3月から、新たな社会的な変革期へ突入することになります。そのとき、再度、水瓶座のテーマにより深く向き合うことになります。
ここで重要なことは、私たちがより深く向かうあうことは、物質面ではなくて、私たちの内面、精神面です。それも、私たちの潜在意識にある、集合的無意識による、思い込みです。今まで、「正しい」と思っていたことが信じられなくなり、自分にとっての「真実」と思っていたことが、変化してきます。
これは、山羊座時代につくられた、ピラミット型の縦社会を、根本的に覆していく、契機となるはずです。ピラミット型の縦社会は、何も、ピラミットの頂点にいる少数の人々だけに、受け入れられていたわけではありません。ピラミッドの底辺のいる人も、潜在意識では、強く支えていたのです。堅強な縦社会の仕組みに、組み込まれていることが、安心であり安全であり、社会的な豊かさを作りあげると、集合的無意識で、強烈にサポートしていたのです。
このピラミッドが崩れるという現実を受け入れることは、実際に物質的な損失を被ることより、はるかに辛いことです。物質的な損失は、強い精神力があれば回復できますが、精神的なダメージは、どんなに物質的な豊かさがあっても、補えません。精神的な拠り所か変化したり、一時的に失うことは、想像以上の痛手を追うかもしれません。
しかし、潜在意識は、どんなに惨い現実であっても、その惨状から、立ち直れるという前提がなければ、事実を覆い隠します。私たちの潜在意識は、今、現在に知る必要がある事実だけを、無意識の領域で、取捨選択して知らせているからです。
私たちの集合的無意識が変わり、新しい価値基準を、内面的に受け入れたときに、はじめて、風の時代は本格化していきます。そして、その波が訪れるのは、もうすぐそこまできています。