西洋占星術

アメリカ始原図を読む

国家について占う、マンデン占星術では、国の「誕生日」をもとにして、国家の出生図を作成します。国の「誕生日」っていつよ、って感じですが、アメリカの国家としての誕生日は、一般的な答えとしては、アメリカの独立が宣言せれた、1776年7月4日です。7月4日は、現在でもアメリカの祝日になっている、公式なアメリカの誕生日です。時間に関しては諸説ありますが、アメリカの占星術師のあいだで、最も使われているのが、午後17時10分です。場所は、独立宣言が行われた、当時のアメリカの首都である、ペンシルバニア州のフィラデルフィアで、アメリカの出生図である、始原図をみていきます。(ホロスコープは、ASTORO.COM で作成しています。)

5時10分の夕方生まれを採用すると、アセンダントは射手座で、MCは水瓶座です。星の多くは、太陽が入っている蟹座と、となりの双子座に集中しています。

ハウスごとにみると、もっとも星が入っているのは7ハウスで、太陽、木星、金星、火星が一つのハウスに集中しています。とくに、国家をあらわす太陽に、幸運の星金星と、繁栄をあらわす木星が接近していており、とても華々しい配置です。が、これらの星たちと、節制の星である土星が、緊張の角度をとっていることが特徴的です。7ハウスは、契約のハウスであり、マンデン読みをするときは、パートナー国との関係をみます。アメリカのパートナー国というのは、もちろんイギリスです。アメリカはイギリスの植民地から、晴れて独立したわけですが、イギリスとの関係は、土星にしっかりと守られている、というか、見張られています。

国民をあらわす月は、水瓶座で3ハウスに配置され、双子座の火星、蟹座の木星、金星と協調の角度です。イギリスからの独立によって、国民は多くの恩恵をえられます。3ハウスは、通信や情報、流通や貿易など、生活に必要な政策やインフラ基盤を意味します。国民が3ハウスの主体を担うというのは、アメリカが目指している、「小さな政府」を象徴しているようです。フラットで権威主義をきらう、水瓶座の月、というのもアメリカらしいと言えます。

土星は10ハウスで、天秤座で10ハウスに配置され、双子座の火星と天王星と協調の角度とり、蟹座の太陽、木星、金星には試練を与えています。10ハウスは国の最高権力、政府の最高権力者など表す部屋です。フラットな水瓶座的な生き方を望んでいる国民ですが、実は、国の最高権力者は土星であって、かなり強くて厳しいのです。そんな土星は、7ハウス、双子座の火星と協調関係です。パートナーとの意思疎通がうまくいかなければ、武力行使も致し方ない、というかなり怖い権力者です。

さらに特徴的なのが、6ハウス、双子座にいる、天王星です。革命的な出来事、生活を一変させるような大きな技術革新が、情報通信を象徴する双子座で、さらに、軍事や雇用をあらわす6ハウスに配置されるというのは、とてもアメリカらしいです。インターネットのような情報テクノロジーは、アメリカの軍事目的のために開発されて、今日では、世界中の雇用形態を変えるまでに、私の生活をかえました。双子座の天王星は、今日までのアメリカの技術革新を象徴しているといえます。

そのような、天王星は、最高権力者の土星に、しっかりと守られています。天王星のような、国家の繁栄を左右しかねないような技術革新は、土星によって、擁護されているといえるでしょう。

一方、天王星ような大きな革命は起こさない、一般的な技術や情報テクノロジーは、水星でみます。水星は、8ハウスで蟹座にあり、1ハウスの冥王星、9ハウスの海王星、10ハウスの土星と角度をとっています。蟹座は閉鎖的な星座で、よく言えば、親密な仲間を大事にする星ですが、悪く言えば、外部の人に対しては排他的で身内びいきです。新しいテクノロジーは、必ず特許をとってしっかりと擁護しようとします。

10ハウスの土星は、そんな水星に対して緊張の角度です。国の権力者、小さな企業や個人の開発した技術に対して、意外と冷たいようです。しかし、9ハウスの海王星は、とても好意的に応援してくれています。アメリカンドリームという大きな夢をつかむことは、個人の技術革新を後押します。

9ハウスの海王星は、アメリカンドリームという、国民を夢を象徴していますが、9ハウスは、司法、宗教、外国との関係をあらわしているので、もう少し深読みしてみたいと思います。そもそも、アメリカは、ピューリタンが信仰 の自由を求めて、開拓した国です。9ハウス、乙女座の海王星は、人々の精神性、スピリチュアルな側面、宗教、とくにキリスト教への信仰をあらわしています。アメリカは、先進国の中で、教会に通う人々が最も多い、信仰心の強い国です。また、宗教の政治へのかかわり方も、とてもつもなく大きいといってよいでしょう。

時間を夕方でみると、MCにもっとも近い星は、海王星であり、この海王星の在り方が、国の行方に非常に大きな影響を与えていることがわかります。海王星の役目は、アメリカンドリームで、人々を魅了し、神の信仰のもとで人々を団結させることです。

一方で、海王星は、双子座の火星とも緊張の角度をとっています。人々の夢や期待が大きかったり、信仰が強すぎたりすると、武力衝突に発展しかねない、危険もはらんでいます。そんな海王星を、もっとも進行速度が遅く、地球に対して大きな影響力をもっている、冥王星が協調の角度をとっています。冥王星は、人々の夢や期待を上手くコントロールしながら、国家がまとまるようにサポートしていうようです。

冥王星は、2ハウスの山羊座に配置されています。マンデンでは、2ハウス国家の金融政策や財政、税制などを意味します。アメリカの金融政策は、山羊座的なピラミッド社会を形成しており、8ハウスの水星と緊張の角度です。8ハウスは、外国との貿易、もっと大きな世界的な規模での金融経済をあらわす部屋です。アメリカの金融経済をまもるために、アメリカで開発される技術は、土星にと冥王星によって、しっかりと管轄されています。

さらに、冥王星は、山羊座、27度という、水瓶座にかなり近い位置に配置されています。勘の良い人ならピンときたかもしれませんが、現在、水瓶座と山羊座の間をいったりきたりしている、トランジットの冥王星の位置と重なります。冥王星が、始原図のもと位置に戻ってくる、冥王星の出生図回帰については、次のブログで考察します。

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