西洋占星術

風の時代: 占星術による解釈

2020年頃から、の時代が終焉して、の時代が始まる、と言う主張をきいたことがあると思います。というのは、古代ギリシア思想からヨーロッパ文明へと引き継げられた、四元素 (しげんそ)の一つです。「」「」「空気」「土 (地)」 の4つで、占星学やタロットにおいても、重要なエレメントとなっています。一般的に、日本語では、なぜか四元素の空気のことを、と呼んでいます。もっとも、占星学やタロットなどで象徴する4つのエレメントは、より抽象的で象徴的なものです。四元素の空気は、空気のように目にみえないもの、人々の思考や考え方、情報などを象徴しています。

2020年ころを境に、の時代からの時代へ変容したと言われる理由は、主に占星術における解釈によるものです。その中でも、一般的によく説明されているのは、以下の3つの点です。

  1. 木星と土星のグレートコンジャンクション
  2. 冥王星の水瓶座入室
  3. プラントン年 (地球の歳差運動)

1. 木星と土星のグレートコンジャンクション

木星と土星が接近するグレートコンジャンクションが、2020年12月22日に水瓶座でおこります。木星と土星のグレートコンジャンクションは、20年に一度起こるイベントですが、今回のグレートコンジャンクションはそれ以上に大きな意味があります。

2020年12月21日の冬至の日直後におこるということだけでも、かなり象徴的な出来事ですが、このグレートコンジャンクションは、0.1度の角度まで接近します。400年前の1623年の大接近でも、0.1度まで接近しましたが、このときは、太陽に近すぎて、肉眼で木星と土星を観察することはできませんでした。実際にみることができるグレートコンジャンクションとして、0.1度以内まで接近したのは、800年前の、1226年のグレートコンジャンクション以来の大接近となります。

木星と土星のグレートコンジャンクションは、直近におきたグレートコンジャンクションの場所から、原則約120度の進んだ場所で、再び木星と土星は接近します。この動きを数回くりかえすので、必然的に、同じエレメントの星座で土星と木星は接近します。この120度移動することを、何度が繰り返した後、グレートコンジャンクションは、160度移動して、エレメントの違う星座で接近します。木星と土星のグレートコンジャンクションの動きをまとめると、以下のようになります。

1603年から1842年 火星座 (牡羊座 獅子座 射手座)
  • 1603/12/18 射手座
  • 1623/07/17 獅子座
  • 1643/02/25 魚座
  • 1663/10/17 射手座
  • 1683/05/18 獅子座
  • 1702/05/22 牡羊座
  • 1723/01/06 射手座
  • 1742/05/19 牡羊座
  • 1782/11/05 射手座
  • 1802/07/18 乙女座
  • 1821/07/20 牡羊座
1842年から2020年 地星座 (牡牛座 乙女座 山羊座)
  • 1842/01/26 山羊座
  • 1861/10/21 乙女座
  • 1881/041/8 牡牛座
  • 1901/11/29 山羊座
  • 1921/09/10 乙女座
  • 1941/02/15 牡牛座
  • 1961/02/19 山羊座
  • 1981/07/24 天秤座
  • 2000/05/29 牡牛座
2020年から2219年 風星座 (双子座 天秤座 水瓶座)
  • 2020/12/22 水瓶座
  • 2040/10/31 天秤座
  • 2060/04/08 双子座
  • 2080/05/15 水瓶座
  • 2100/09/19 天秤座
  • 2119/07/16 双子座
  • 2140/01/15 水瓶座
  • 2159/12/21 蠍座
  • 2179/05/28 双子座
  • 2199/04/08 水瓶座
2219年から2398年 水星座 (蟹座 蠍座 魚座)
  • 2219/11/01 蠍座
  • 2239/03/22 蟹座
  • 2259/02/03 魚座
  • 2279/08/31 蠍座
  • 2298/07/12 蟹座
  • 2318/04/27 魚座
  • 2338/12/02 射手座
  • 2358/05/23 蟹座
  • 2378/02/19 魚座

このように、木星と土星のグレートコンジャンクションは、約200年の間、ほぼ同じエレメントの星座で20年周期で接近し、何度かフライングで次のエレメントで接近したのち、大きくエレメントを移動して、その後はまた同じエレメントの星座で接近し続けます。

2020年のグレートコンジャンクションは、過去約180にわたって、おもにの星座 (山羊座、牡牛座、乙女座)で起きていたグレートコンジャンクションが、2020年を境にして、今度は、の星座 (水瓶座双子座天秤座)で起こり続けるので、このグレートコンジャンクションは、200年に一度の大きな時代の変換期となります。

のエレントは、お金や不動産など、堅強で、微動だにしないような、物質社会そのものを象徴します。一方、が象徴するものは、空気のように、目に見えないもので、もっとふわふわした世相のようなものです。木星と土星という重要な惑星が、全く相反するエレメントを移動することによって、過去200年間の物質的社会が、大きく変わることを示唆しています。

2. 冥王星の水瓶座入室

2023年から2024年には、冥王星が星座の山羊座から、水瓶座に移動します。冥王星は地球から最も遠い外惑星で、240年かけて一周し、20年に一度、星座を移動します。最もゆっくりと移動する惑星なので、長期間にわたって、地球に影響力を及ぼす星です。

冥王星は以下のように、2008年にの星座、山羊座に入室してから、順行と逆行を何度かくりかえしながら、約15年間の間、山羊座に滞在しつづけました。そして、2023年の3月に水瓶座に初めて入室してから、逆行と順行を何度か繰り返し、山羊座と水瓶座の間を、行ったり来たりします。そして、2024年の11月に、最終的に水瓶座に入室して、2043まで魚座に入室するまで約20年間、水瓶座に滞在します。

  • 2008/11/27 山羊座
  • 2023/03/24 水瓶座
  • 2023/05/02 水瓶座 逆行開始
  • 2023/06/11 山羊座
  • 2023/10/11 山羊座 順行開始
  • 2024/01/21 水瓶座
  • 2024/05/03 水瓶座 逆行開始
  • 2024/09/02 山羊座
  • 2024/10/12 山羊座 順行開始
  • 2024/11/20 水瓶座
  • 2043/03/09 魚座

冥王星は20年間もの間、同じ星座に滞在するので、その20年間の社会的な世相を象徴します。冥王星のテーマは、「破壊と再生」で滞在する星座の象徴する世相、破壊して再生する星です。

過去16年間冥王星が滞在していたのは、山羊座です。のエレメントである山羊座のテーマは、物質主義、企業社会、経済、権力などです。冥王星が山羊座に入った直後の2009年に、リーマンショックがおこり、企業社会、経済、既存の権力構造などを、破壊して、再生していきました。

リーマンショックのように、冥王星は、滞在する星座をかえるときに、もっとも大きな破壊力を発揮します。逆行と順行をくりかえしながら、水瓶座と山羊座を行ったり来たり、その後水瓶座に最終的に入室するまでの23年から24年は、社会的に大きな変革、場合によっては破壊、がもたらせる時期となります。

3. プラントン年 (地球の歳差運動)

地球を北極点と南極点を結ぶ地軸は、垂直方向からみて、約23.5度傾いていますが、この地軸は毎年少しずつずれて、コマの軸のように円錐を描くように回転しています。この傾いた地軸は、約25800年もの年月かけて、一周して、ほぼ元の位置に戻ります。この地軸が一周する動きを、一年として、暦のように数えるのが、プラトン年です。

地球の歳差運動については、ギリシアの哲学者、プラトー (Plato) の名前がつけられていますが、もともとプラトーが仮説をたてたのは、太陽と月、肉眼で見える7つの惑星が、全ての公転周期を終えて、黄道上のもとの場所に戻るのにかかる年数のことでした。この全ての天体がもとの位置に戻る周期を、約36000年と試算しています。この全ての天体がもとの場所に戻る周期は、目に見える天体における全ての周期の中で最も長い周期であるので、グレートイヤー Great Year ともいいます。

しかし、プラトーは歳差運動について言及しておらず、厳密には、地球の歳差運動とプラトーが仮説をたてたグレートイヤーは別のものです。地球の地軸が毎年少しずつずれていることを発見したのは、ギリシアの天文学者、数学者のヒッパルコス (Hipparchus) と言われています。ヒッパルコスは、春分と夏至のときに、想定される太陽の位置がずれていることに着目し、地球の地軸は、72年ごとに、地球の地軸は西に1度移動していると報告しています。従って、地球の地軸が元の位置に戻ってくるのに、72×365で、約25920年かかるとしています。

その後、どのようなプロセスを経てこのような結論になったのかは、あまり定かではありませんが、プラトーが試算した、36000年ではなく、地球の歳差運動の周期が、もっとも長い周期、いわいるグレートイヤーではないか、というのが、現在でも一般的な考え方となっています。当時の地動説モデルでは、春分のときの黄道における目に見える天体の配置が、次の春分のときに全く同じ配置にもどるのに、約25920年かかるという、認識からです。

この最も長い天体周期の約25920年を一年として、「プラトン年」とすると、25920年を12で割った2160年は、いわゆる「プラトン月」です。地球の歳差運動が、黄道内の12の星座を25920年かけて一周するとき、一つの星座に滞在する期間が、「プラトン月」です。

地球の自転の向きは、地球の公転とは反対の向きで回転するため、「プラトン年」の暦では、通常の占星術で使う暦とは逆の向きで周回します。つまり、牡羊座から始まって、牡牛座、双子座と黄道を一周するのではなく、魚座から水瓶座、水瓶座から山羊座という具合に、逆の方向で移動するのが特徴です。

プラトン年の考え方には、歴史的に見て不明なところも多く、いったい何年から「プラトン年」が始まるのか、星座と星座の間をいったいいつ移動するのか、その境目はどこなのか、など明確な定義があるわけではありません。が、一般的にいわれているのは、2000年の前後40年を境にして、「プラトン月」は、魚座から水瓶座に変わるのではないか、ということです。

プラトン年の考え方は、厳密に言うと、西洋占星術とはあまり関係ありません。ただし、「プラトン月」が魚座の時代は、キリスト教の覇権の時代であり、水瓶座に移行することによって、キリスト教の覇権が終了するのではないか、というのが、最も一般的な解釈です。魚座は、宗教、信仰の星であり、魚はイエスキリストの象徴だからです。

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