FRBを占う
アメリカの中央銀行であるFRB (Federal Reserve System) 、連邦準備制度を占います。FRBの設立は、1913年であり、中央銀行としては比較的新しく、歴史が浅いです。最古の中央銀行はスウェーデンのリスクバンクで、1668年に設立されました。イギリスのイングランド銀行は1694年、日本銀行は1882年に設立されました。中央銀行の役割は、主に、銀行のための銀行であり、銀行に資金を貸し出すことと、通貨の発行です。さらに、アメリカや日本のように、比較的近年に設立された中央銀行は、物価の安定や金利の安定、その他様々な金融政策を実施する権利をもっており、その役割は多岐にわたっています。アメリカの中央銀行の運勢をみることで、総じて、アメリカとアメリカが影響を与えている国際金融経済全体への、影響をみていきたいと思います。
最初にFRBの設立日、1913年の12月23日をもとに、FRBのホロスコープをみます。1913年は大正2年にあたり、今から112年くらい前です。あまりこの世代のホロスコープをみることはありませんが、かなり特徴的です。
まず、天王星、木星、太陽、金星、水星、月が、水瓶座から蠍座の間に入っている一方で、海王星、火星、冥王星、土星が、蟹座と双子座に集中しています。時間は考慮していないので、これらの天体がどのハウスに入っているかわかりませんが、土星、冥王星、海王星、火星、という、どちらかと言えば凶星と言われる星と、それ以外の太陽、金星、木星を含む吉星で、はっきりとした、棲み分けがなされているという感じです。加えて、土星は金星と水星、冥王星は太陽、火星と海王星は木星に対して、180度に近い、対立した角度をとっている、ということも象徴的です。

まず射手座の水星と金星は、高度で緻密な専門的な知識、さらに国際的で幅広い領域をカバーする金融政策を意味します。対して双子座の土星は、情報公開、コミュニケーションに対する裁量への厳しさを意味し、高い専門性をもっていても、それを共有できる人々は非常に限られている、閉鎖性のようなものを意味します。
山羊座の木星は、伝統を重んじる権威主義的な階層社会、さらに現実的で実効性、確実性がある規律を重んじます。対立する蟹座の海王星と火星は、閉鎖的で、近しい人間関係を重視し、曖昧で、具現化できない感情的なつながりを重視します。
そして、国家をあらわす山羊座の太陽は、蟹座の冥王星と対立しています。そもそも、FRBは、民間の機関であって、国の機関ではありません。国家の運命を、他者に握られているということです。
太陽をはじめとする、山羊座と射手座にある天体が、表向きのFRBの姿であるとすれば、蟹座と双子座にある天体は、内向き、FRBの裏の顔ということになります。
設立日のホロスコープを、2025年、今年のアメリカの春分図に重ねてみると、以下のようになります。土星による厳しい配置が目立つので、かなり苦しい一年にはなりそうですが、希望のもてる配置もあるので、最悪の状態は免れそうです。とくに、国民をあらわす春分図の月は、FRBの天王星、春分図の冥王星と安定的な角度をとっています。長期的な視点にたてば、今年一年のおこることは、国民にとっては、希望のもてる結果になるかもしれません。

続いて、トランプ大統領が関税についての詳細を発表して、株式市場が大暴落した4月2日の経過図です。春分図から2週間ほどたち、火星が移動して、FRBの木星の反対側で、木星と対立している角度をとっているのが特徴的です。さらに、経過図の木星が、FRBの土星の上にのっているのも目立ちます。株式市場はこの日を境にして、暴落と暴騰を繰り返す、荒々しい値動きがみられるようになります。

火星が木星と角度をとらなくなる、4月14日のあたりから、少し値動きは落ち着きそうです。トランプ大統領やアメリカ政府の発表も、内容がまだ煮詰まっていないようで、かなり頻繁にかわるので、市場の反応も、それに慣れてしまい、一喜一憂しなくなってくるのでしょう。
しかし、4月30日ごろ、経過図の火星が冥王星と真反対にくると、また一悶着ありそうです。とくにこの時は、経過図の太陽が、国民や大衆をあらわすFRBの月の反対側にくるので、国民の生活にとって、ネガティブなニュースに煩労されそうです。

火星の動きは比較的早いので、5月になり、火星が他の天体と角度をとらなくなるので、星の配置は少し穏やかなものになります。5月の連休あけてからは、少し一服して、市場も冷静さを取り戻せそうです。急な回復とまではいかないかもしれませんが、下がり続けて、終わりが見えなくなっていた状況から、少し落ち着きを取り戻す感じです。
そして、6月に入ると、またまた、厳しい局面にぶつかります。6月4日ごろ、経過図の太陽はFRBの土星と重なります。そして、もともとあった、FRBの太陽、冥王星、経過図の土星と海王星が描く直角三角形に、経過図の月が加わって、はっきりとしたグランドクロスを描くようになります。さらに、経過図の天王星、FRBの海王星と太陽が、ヨッドと呼ばれる複合アスペクトをとります。ヨッドは神の手とも呼ばれ、神に定められたかのように宿命をあらわすと言われています。ヨッドは、避けられない重要な出来事を意味しますが、これを乗り越えることで、困難な状況を一変させることが出来ると、とらえることが出来ます。

動きが速い月が、天秤座から乙女座に向けて移動することによって、グランドクロスによる影響は、すぐに逃れることができますが、他の動きの遅い外惑星の影響は、少なくとも来年の春分の頃までは、残り続けます。海王星は魚座と牡羊座の境界付近をのろのろと移動し、天王星は牡牛座と双子座の境界を行ったり来たりします。この二つの外惑星は、2026年の4月ごろまで、FRBの海王星と太陽に対して、重要な角度をとり続けることになります。
今年の春分から、来年の春分までの一年間、アメリカのお金の動きは、アメリカが世界の覇権を握った大国から、普通の国になるのを象徴しているような気がします。今まで、ドルは世界の基軸通貨であり、アメリカの国債は、リスクが最も少ない安全資産であり、アメリカの株式市場は、幾度かの暴落を乗り越えていても、経済は成長し続けてきました。それが、大統領自ら、自国ファーストを名乗り、世界の警察から降りることを宣言して、国民もそれを支持しているのだから、お金の動きもそれに従うしかありません。世界的な覇権を握り、超大国として、国際的に認識されることと、国民一人一人が、自国に誇りをもち、日常的な幸福を実感できることは、全く別のことなのだと理解する必要があります。