顕在意識と潜在意識のしくみ
潜在意識と顕在意識のしくみは、コンピュータシステムにおきかえてみると理解できるはずです。全てのコンピュータシステムは、Windows やUnix、iOS などのOS (operation system) によって制御されています。コンピュータシステムを動かすユーザーは、OSを通して、Word やエクセルなどのアプリを起動させて、作業をし、作業が終わったら、作業内容を保存して、アプリを終了させます。しかし、コンピュータは、このような、ユーザーが意図して動かしているアプリだけではなくて、その背景では、自動的に動いているソフトウェアがたくさんあります。
もしあなたが、Windows の入ったコンピュータを使っているのであれば、タスクマネージャーを起動させて、どのようなソフトウェアが動いているか確認してみてください。Windowsでは、Word やExcel、 Google Chromeなどのアプリケーションと、その裏で動いているバックグラウンドプロセス、そして、OSそのものを動かすために必要なプロセスが、同時に動いていることが分かるでしょう。
この中で、あなたが、意図的に動かしているソフトウェアは、Word や Excel などアプリだけです。バックグランドプロセスは、あなたが起動させようと思って起動しているのではなく、OSが必要だと判断して、あなたの意図とは関係なく、勝手に動かしているソフトウェアです。
さらに、OSに関連するプロセスとして、プリンターを動かしたり、PCに内蔵されているカメラを動かしたり、キーボートから入力される情報を処理したりする、ハードウェアを制御するドライバーなどが動作しています。これらのドライバーも、一度スイッチを入れて起動させてしまえば、ユーザーの意図とは関係なく、バックグラウンドでOSが、自動的に制御して動かしているソフトウェアです。
人間の体は、PCよりも機能が細分化せれた、「ハードウェア」が多いので、「ハードウェア」を動かすための、「デバイス」も多くなります。PCはただの箱なので、人間の肉体は、高度なコンピュータシステムを搭載した、電気自動車のような乗り物だと例えてみた方が、しっくりするかもしれません。車を運転するドライバーは、肉体に宿る「魂」のような存在です。車のドライバーは、自分の意図で「肉体」を操って、自分が行きたいところに、自由に行くことができます。しかし、車を制御しているメカニズムや、バックグラウンドで自動的に動いている様々な種類のソフトウェアの動作を、車のドライバーは、把握していません。
PCでも、電気自動車でも、コンピュータシステムの中で動いているソフトウェアの中で、ユーザーやドライバーの指示によって動いているソフトウェアは、すなわち、「顕在意識」です。そして、Windowsのタスクマネージャーで確認できるように、その裏方で動いている、バックグランドプロセスや、OSに関連するソフトウェア、ハードウェアを動かしているデバイスなどは、ユーザーの意図とは関係なく、OSで自動制御されているさまざまプロセスは、「潜在意識」です。
「潜在意識」であるプロセスは、一般ユーザーには、制御できないように、アドミン権限が設定されていなかったり、ユーザーぁらはみえないように設定されている場合も多くあります。機械の仕組みを理解していないユーザーが、下手に「潜在意識」を制御してしまっては、「顕在意識」のアプリの動作に支障がでるからです。ユーザーがコントロールできるように、すなわち、フロントエンドのインターフェイスをもっているアプリや、全体のメカニズムの中の、ほんの一部にしかすぎません。
同様のことが、人間の脳の仕組みでも言えます。心臓や内臓を動かしたり、血圧や動脈を正常にたもったり、発汗を促したり、体温を調節したり、人間の生理機能をコントロールしているメカニズムは、ユーザーにはコントロール不能の、無意識の領域で自動的に動いています。恐怖心で警告を促したり、アドレナリンを分泌させて、興奮状態をもたらしたりするのも、潜在意識が行っています。これらの潜在意識のメカニズムが、人間の意図とは関係なく、「自動的」に動いているからこそ、私たちは、健康的に生きることが出来ます。これらの潜在意識は、自分の意図でコントロールできる、「インターフェイス」をもっている領域より、はるかに大きな存在を占めています。
無意識の領域で機能している潜在意識の働きは、顕在意識よりもはるかに、人間の思考や行動に影響を与えています。潜在意識が、顕在意識の意図をもって機能し、顕在意識の動作を助けるように動いていれば、人間の願望は叶いやすくなります。しかし、潜在意識を制御する「OS」の設定に問題があったりすると、ユーザー意図して動かしている「アプリ」と、真逆の動作をしてしまう「ソフトウェア」がバックがラウンドで動いていたり、あたかもウイルスソフトをのように、顕在意識をフリーズさせてしまうようなことが、頻繁にあります。顕在意識を働かせるためには、潜在意識が顕在意識をサポートするように動作することが、需要なポイントになってきます。
システムを開発するエンジニアや、不具合を調査したりするサポートエンジニアは、バックグラウンドで動くソフトウェアや、それらを動かしているOSの設定を、詳細に調査したり、設定どおりに機能するか、監視したりしています。コンピュータシステムがユーザーの意図したとおりに動作しない、いわゆるバグ、と言う状況の根本的な原因は、一般ユーザーが意識しない、これらの裏方のソフトウェアにあるからです。
「潜在意識」をコントロールするということは、このような一般ユーザにはみえなくなっている、バックグラウンドで動作している、ソフトウェアの動作をコントロールするということです。潜在意識のメカニズムは、顕在意識よりもはるかに広範囲にわたっているし、何と言っても見えない領域のシステムなので、正確に理解している人は、非常に少ないはずです。従って、潜在意識の重要性を強調する主張は多いけれども、潜在意識をコントロールする方法を適切に述べている人は少ないと思います。だからこそ、引き寄せの法則を実行しても、願望実現しなかったり、慢性的な病や疲労感に悩まされたり、働いても働いても経済的な不安が解消されなかったり、根本的な負のループは解消されないのです。