海王星牡羊座入りと戦後の日本社会
2025年3月30日に、海王星が牡羊座に入りします。海王星は、一つの星座に約13年間滞在しますが、牡羊座という、12星座の最初の星座に戻ってくるのは、165年に一度の大きなイベントです。
以前の投稿で説明したとおり、海王星は海を象徴するので、境界を破壊していく、という意味があります。国境を越えて、お金の流れ、物資の流れ、人の流れが活発になるのは、海王星の威力の賜物です。
165年前に、海王星が魚座に滞在していたときには、1854年にペリーが日本に来航し、日米和親条約が終結されて、正式な日米同意が結ばれて、200年以上続いてきた、鎖国が解かれることになります。そして、牡羊座に入室すると、1968年に戊辰戦争がはじまって、明治維新が起こります。新政府軍が勝利したことによって、幕藩体制が廃止されて、天皇を頂点とした、中央集権国家を成立、封建社会から、近代的資本主義国家へと変わりました。
今回の海王星魚座時代には、CONVID19が蔓延し、ウクライナとパレスティナで戦争がおき、トランプ政権が発足して、かなり激動の時代でした。このままだと、アメリカが西側諸国から離脱しかねないという、大きな国際的な同盟関係に異変がおきています。アメリカの国際的な覇権がかわると、日本の立ち位置にも影響があるのは必然です。
さらに、今年の牡羊座に入るタイミングの星の配置をみると、なかなかパワフルで、力強い配置です。主役の海王星には、水星、金星が接近してサポートしています。そして、海王星の中心にして、冥王星と天王星が両サイドで協力的な角度をとって、三角形を描いています。動きの外惑星のよるこの小三角形は、ときどき角度は緩くなりますが、2031年ぐらいまで、海王星が牡羊座に入ってからの数年間を、しっかりとガードしています。

国家をあらわす太陽は、冥王星と火星の中間にいて、直角三角形を描いています。国が冥王星と火星からの攻撃を温和するような配置ですが、なかなか緊張感をともなう激しい状況です。
続いて、日本国憲法が公布された1948年11月3日の星の配置を、海王星が牡羊座に入った時の経過図と重ねてみます。日本国憲法が公布された日は、日本が新しい国としてスタートした重要なイベントです。単なる憲法の行く末を占いだけでなく、戦後の日本社会の在り方が、日本の国際的な立場を占うときによく利用します。
まず、日本国憲法公布図では、アセンダントの近くに、射手座の木星があり、デイセンダントの近くに天王星がいます。その中間に天秤座の金星があります。諸外国、とくに同盟国とのバランスをとることによって、グローバルな財産を築けるということを示しています。

憲法公布図で、さらに注目するポイントは、天秤座の海王星を頂点にして、射手座の火星、獅子座の冥王星で、小さな三角形を描いていることです。海王星と冥王星が協力的な角度をとっていることは、現在の配置と似ていますが、さらに火星という強いエネルギーを与える星が加わっていることによって、さらに勢いがあります。過剰に大きな理想を抱いた故に、大風呂敷を広げてしまった感じが否めません。
憲法公布図に、海王星が牡羊座に入ったタイミングの経過図を重ねてみると、公布図の木星、金星、天王星の直角三角形の頂点の反対側に、経過図の金星がいます。つまり、公布図の金星の真反対の位置にもう一つの金星があるわけで、この4つの天体で、四角形ができています。もともとあった、直角三角形の配置を、さらにパワーアップさせるような時期に来ていると言えます。

グランドクロスを作っている頂点は、経過図の金星で、牡羊座に入ったばかりです。牡羊座は12星座の最初の星座であり、まさに、日本は戦後時代の第2章に突入したと言えそうです。
グランドクロスは、とても大きな緊張感と破壊力をともなう配置で、もともとあった矛盾や非合理な部分を、改めようとする方向に動きます。
経過図の金星は、魚座28度という、魚座と牡羊座の境界線近くにいて、すぐ近くには、水星と海王星がいます。水星はメディアや情報をあらわすので、海王星によって、情報の曖昧さや欺瞞が、次々と暴露されていくことが予想されます。そして、古い理念を切り捨てて、新たな理想に作り変えようと動いていくでしょう。
海王星と同様に、目立っているのは冥王星の配置です。もともと、憲法公布図の冥王星は、国をあらわす太陽と、緊張の角度をとっていました。この冥王星に、経過図の木星が、協力的な角度をとっています。もともと国家として矛盾をはらんでいた状況を、さらに木星が拍車をかけているような星の配置です。
一方、経過図の冥王星は、国民をあらわす憲法公布図の月に対して、協力的です。そもそも公布図の月は、土星と緊張関係にあり、かなり厳しい制裁をうけていました。日本が本来もっている良さは全否定されて、我慢が美徳、というような価値観を、強要されていたような感じです。
その月に対して、経過図の冥王星が、再起をほどこすような援護をあたえています。冥王星は破壊と再生の星ですから、この再起は痛みを伴うものですが、それを乗り越えられれば、希望がみえてくるかもしれません。
グランドクロスを形成している金星の周囲に星が集まり、その再度には冥王星が協力にサポートしているというのが、全体の配置です。魚座と牡羊座の境界線に集まっている星は、新しい海王星牡羊座時代の価値観に、人々の集合意識を向かわせるように、強力に牽引しています。
しかし、このグランドクラスは、もともとの公布図にあった星がつくっている基盤を土台にしているので、全く新しいものというよりも、現在の価値観をみなおして、それを乗り越えていくようなものです。新しい時代を作るためには、過去を見つめなおすことが必須です。今まで良いと思っていたものが、理想としていたものが、実は欺瞞であった、というような現実に関する再認識が求められています。