天王星の双子座入り
2025年は大きな星の移動が控えている、変化が大きい重要な一年なのですが、その中でも特に重要なイベントは、天王星の双子座入りです。天王星は2019年3月から、牡牛座にいましたが、今年の7月7日に、双子座に入ります。その後、2025年の11月8日に、いったん牡牛座に戻りますが、その後2026年4月26日、再度双子座への移動し、それから2032年8月まで、双子座に滞在します。
天王星は約84年かけて黄道をし、一つの星座には約7年間滞在します。天王星のUranus (ウラヌス)という名称は、ラテン語で空の神を意味する、ウーラノスに由来し、日本語の天王星は、中国語による訳語です。転変地異のような突発的で、予期できない出来事を示すとされ、とくに日本では、天王星の星座移動は、大きな地震を誘発するのではないか、と警戒する人も少なくありません。というのは、2011年に3月12日に、牡羊座に移動する直前に、東日本大地震がおき、1996年1月12日に水瓶座に入室した直後に、阪神大震災がおきているからです。
しかも、今年の7月5日には、すでに大きな天災があるのではないか、という預言が流布されていることもあり、その直後に天王星が星座を移動するのは、確かに少し不気味です。しかし、天王星の星座移動は、7年に一度はあるイベントであり、当然ながら、そのたびに被害が甚大になる大きな地震がおきているわけではありません。さらに、天王星の星座移動と関係ないタイミングで、大きな地震がおきていることも、珍しいわけではありません。例えば、1923年9月1日におきて、10万人以上の死者数をだした関東大震災がおきたとき、天王星は魚座15度にいて、ほぼ星座の真ん中にいたわけですから、星座移動とは関係ありません。
天王星が象徴するものは、今までの常識が覆された、人々の意識が大きくかわることなので、大きな地震のような天災そのものを示すわけではありません。大地震は、人々の集合意識がかわる、一つのきっかけにすぎないわけです。
それでは、実際に星の配置をみながら、2025年に、天王星が最初に双子座に入るタイミングを、深堀りしたいと思います。東京では、7月7日の16時50分に、天王星は双子座に入ります。天王星のそばには金星がいて、ちょうど天王星から、60度という安定の角度をとって、土星と海王星が牡羊座にいます。そして、海王星を挟んで、天王星と反対側の方向、水瓶座には冥王星がいます。海王星を頂点にして、冥王星と天王星がサイドを固める、小三角形を描いています。

さらに、天王星と180度反対側には、月がいます。月、冥王星、海王星、天王星で、クレイドルとよばれる、台形の形を描く、複合アスペクトになっています。天王星と金星は、国民をあらわす月に対して、困難をおよぼすような力をあたえますが、海王星と冥王星が、調停するような働きをします。
海王星、天王星、冥王星は動きがおそいので、この3つの外惑星による小三角形は、2030年くらいまで緩やかに続きますが、その中でも、天王星が双子座に入室するこのタイミングは、かなり強いインパクトのある、星の配置をつくります。海王星も牡羊座に入ったばかりなので、新たな海王星牡羊座時代と天王星双子座時代が、同時に到来することを、人々に知らしめるような大きな出来事がおこりそうな感じです。
この配置の中で、とくに星の影響を受けそうな人は、天秤座の0度から3度、もしくは獅子座の0度から3度の間に、なんらかの星を持っている人です。最近私が調べた人の中では、石破首相の出生図の配置が、かなり強く影響を受けそうです。
石破首相は、天秤座の1度に木星、獅子座の4度に天王星をもっています。7月28日に参院選をひかえているので、この参院選は、石破首相だけでなく、日本という国家にとって、とても重要な方向性をきめる、大きなタイミングとなるでしょう。
続いて2026年の4月26日、天王星が最終的に双子座に入るタイミングの星の配置をみます。外惑星の星座移動は、最終的に移動したタイミングが大事です。阪神大震災も、東日本大震災も、最終的に天王星が星座を移動したタイミングでおきています。
海王星と土星が牡羊座にいて、火星と水星も牡羊座に入っています。牡羊座に星が集中しており、新しい時代が始まっているような印象をうけます。海王星と土星は、冥王星と天王星とも安定の角度をとっている、小さな三角形の配置はかわりません。冥王星は太陽と、天王星は月と緊張の角度をとっているので、新しく未知な時代にむけて、国民も国家も緊張を感じつつも、慎重に歩みだしているようです。

特徴的なので、天王星のそばに金星がしっかりとよりそっていることです。金星は、天王星が最初に双子座に移動したときも、最終的に移動したときも、天王星の近くにいました。金星は、一年で黄道を一周する動きの速い天体なので、天王星が双子座と牡牛座の境界をさまよっている10か月間に、同じ場所にいたわけではなく、太陽の周りを一周して、もとの位置に戻ってきているのです。今回の天王星の引っ越しには、金星のサポートが伴うということです。
金星は、人々が楽しめること、エンターテインメントを象徴します。人々が何を楽しいと思うか、何を喜ばしいと感じるか、どのようなものに魅了されるのか、そのような価値観が一新されるでしょう。今まで楽しいと思うことに価値が見いだせなくなる一方で、今までは当たり前すぎて、価値がなかったことが、凄く貴重に思えるようになったりします。
また、蟹座の木星は、火星と水星に対して、緊張の角度をとっているのも特徴的です。蟹座は、家族や身内など、自分にとって、ごく親しい身内など、かなり小さな人間関係をあらわします。火星は、牡羊座の支配星なので、通常以上に勢いがあります。水星は、情報やメディアをあらわすので、メディアの雰囲気も、このころになると、今とはかなり違ってきていることでしょう。その水星と火星に対して、身内びいきの木星が緊張の角度をとっています。牡羊座海王星時代の、新しい価値観は、今までの狭い世界のルールに生きていたい人にとっては、かなりの不安をもたらすものかもしれません。
双子座は風星座であり、とても情報や社会的な雰囲気に敏感な星座です。84年前、天王星が双子座に入ったのは、1941年で第二次世界大戦の真っ最中でした。それから、1949年まで、天王星が双子座にいたのですが、その間、社会的な常識は、何もかも変わってしまったといってよいでしょう。今回の星座移動も、似たようなことがおきそうです。今まで、絶対的な正義だと思っていたものが、そもそも絶対的なんてものは存在しない、と改めて、人々は気づくことになります。
常識が覆される、ということが天王星がもっている本質的なテーマです。それは、時として、人々に苦難を与えるものかもしれません。しかし、しばらくたってから振り返ると、あの時が人生のターニングポイントだった、と思える出来事が、必ずしも悪いものだとは限りません。2025年から2026年にかけて経験することは、良いことであれ、悪いことであれ、後から振り返ると、大きな人生の転機になった、と思えるはずです。