西洋占星術

2025年 海王星の牡羊座入り

2025年は、メジャーな天体の星座移動がある、とても変化の大きい年となりそうですが、その動きの中でとくに重要なものは、海王星の牡羊座入りです。現在、外惑星の冥王星、海王星、天王星は、互いに影響力を与え合う、協力的な角度をとりながら、それぞれ、ゆっくりと入室している星座を変えていきます。2024年に冥王星は、山羊座から水瓶座への移動を完了しますが、2025年に移動するのは、海王星と天王星です。その中でも、海王星は、冥王星と天王星のちょうど中間地点に位置し、両方の外惑星の影響を受け入れるので、2024年から2030年ごろまで、社会的な変化の主役を担う星となるのです。

海王星は、165年で12星座を1周して、一つの星座には約13年間滞在します。現在は魚座で逆行していますが、2024年12月8日に順行を開始し、来年の3月30日に165年ぶりに牡羊座に入ります。現在の魚座は、12星座の最後の星座であり、牡羊座は12星座の最初のスタートの星座です。まさに、海王星は一つの周期を終えて、心機一転して、新なサイクルをスタートさせる重要なときです。

  • 2024/07/02 魚座 逆行開始
  • 2024/12/08 魚座 順行開始
  • 2025/03/30 牡羊座
  • 2025/07/05 牡羊座 逆行開始
  • 2025/10/22 魚座
  • 2025/12/10 魚座 順行開始
  • 2026/01/27 牡羊座

外惑星の動きから世相を読むという投稿で、詳しく説明していますが、海王星の動きと日本の経済状況は、見事なくらいに、リンクしています。海王星が冥王星と協調的な角度をとっているときは、日本の経済は順調に発展しつづけていたときです。一方、天王星と海王星がアスペクトをとると、バブルがはじけたり、予期せぬ大きな変化に見舞われることになります。冥王星と天王星、両方にアスペクトをとったのは、1943年から1945年のころですが、言うまでもなく、終戦をむかえて、教科書にかかれていることを全て、リセットさせられるような、大きな社会的な変革期となりました。

2024年から2030年ごろまで、3つの外惑星は、第二次世界大戦の終盤の時期と、似たような小三角形を描いています。約60年前に起きたこの星の配置では、冥王星が中央に配置されて、冥王星が主導的な役割を果たしました。冥王星は獅子座にいたので、まさに日本という国家の在り方そのものが、ひっくり返るようなことがおきたのです。今回の星の配置は、海王星が主役です。海王星は冥王星のように、生きるか死ぬか、というような極端な変革を促すわけではありません。しかし、海王星の役割を認識しておくことは、これから起こる、長期間にわたる、ゆるやかな変容期間を予測するうえで、非常に重要になります。

海王星が前回魚座に入ったのは、2012年の2月で、その後2025年の3月まで、約13年間魚座に滞在しています。魚座は海王星の支配星でもあるので、この12年間は、もっとも海王星の影響が、強く受けた期間とも言えます。

  • 2010/11/07 水瓶座 順行開始
  • 2011/04/04 魚座
  • 2011/06/03 魚座 逆行開始
  • 2011/08/05 水瓶座
  • 2011/11/10 水瓶座 順行開始
  • 2012/02/04 魚座

海王星が魚座に入ると、それまで民主党を中心として、連立政権が終了し、自民党と公明党による、第二次安倍内閣がスタートします。そして、大胆な金融政策によって、資本市場や労働市場がより流動的な政策がとられるようになります。

海王星には、その名の通り、海を象徴するので、境界を破壊していく、という意味があります。海には物理的に国と国とを隔てる境界線はありません。国境を越えて、お金の流れ、物資の流れ、人の流れが活発になるのは、海王星の威力の賜物です。

しかし、海王星が牡羊座に移動すると、この流れは大きく変わります。魚座は12星座の最後の星座になるので、黄道を1周して、最初のスタート地点である牡羊座に戻ってくるのは、とても大きな星座移動となります。海王星が魚座に滞在中、境界線を越えて、拡大していた物事の流れが、一度リセットされて、新たなサイクルが始まるのです。

実際に、165年前に、海王星が魚座と牡羊座に滞在していたときに、何がおきたのか、検証してみます。海王星が発見されたのは1846年ですが、発見された翌年の1947年から、海王星は水瓶座から魚座への移動し、1848年から1862年ごろまで、魚座に滞在しています。

海王星が魚座に入った直後、1848年は、ヨーロッパ全土で、民主的、自由主義的な反乱がおこった、革命の年でした。これらの反乱は、近代ヨーロッパの政治情勢の形成に大きな影響を与えたため、ヨーロッパの歴史の中で重要な出来事とみなされています。ヨーロッパの植民地主義の拡大したことにより、中流階級の政治的および経済的権力、国家主権と基本的権利への欲求が増大していくことになります。

1848年には、米国が米墨戦争でカリフォルニアを獲得し、アメリカは太平洋国家となったことを契機に、清や日本との、貿易開拓を積極的に進めていきます。日本では、1854年にペリーが日本に来航し、日米和親条約が終結されて、正式な日米同意が結ばれて、200年以上続いてきた、鎖国が解かれることになります。

アメリカをはじめとする、外国船の来航や通称要求がさかんになるにつれて、国内でも宝暦事件、明和事件、大塩平八郎の乱といった内乱や民衆運動が盛んになります。これらの動きは、天皇を中心とする王政復古めざし、欧米列強の近代国家を模範とする、新たな国家的な枠組みを模索する方向へと繋がっていきます。

このように、165年前の海王星魚座期は、日本も欧米諸国でも、国の境界、身分制度の境界、政治的秩序の境界が、大きく崩れていった時代でした。

その後、海王星は1961年から牡羊座への移動し、1875年ごろまで、牡羊座に滞在します。水星座である魚座は、海王星の支配星ですが、牡羊座は火星座であり、海王星のエネルギーとは真逆です。海王星牡羊座時代は、海王星魚座時代に壊した境界線を、もう一度再構築して、その後165年間につながる、新たな社会的な枠組みの基盤を作るときです。

海王星が牡羊座に移動した1961年には、アメリカでは南北戦争がはじまります。南北戦争は、北部のアメリカ合衆国と、合衆国から分離した南部のアメリカ連合国の間で行われた、アメリカの内戦です。この内戦は、1965年に北部のアメリカ合衆国が勝利して終了し、南部で行われていた奴隷制は廃止されました。

一方、日本では、1968年に戊辰戦争がはじまって、明治維新が起こります。戊辰戦争は、王政復古をへて新政府の樹立を目指す新政府軍と、旧江戸幕府が戦った内戦です。新政府軍が勝利したことによって、幕藩体制が廃止されて、天皇を頂点とした、中央集権国家を成立、封建社会から、近代的資本主義国家へと変わりました。

アメリカでも日本でも、海王星牡羊座時代には、新たな理想的な国家をめざした、大きな歴史的な転換期となったわけです。海王星が象徴するのは、理想や夢であり、人々が集合意識に刻まれる確固たる信念は、大きく歴史を動かすことになるのです。

海王星は、目にみえないものを、あいまいなもの、スピリチャル的な理想をあらわします。が、必ずしも、海王星が目指しているものは、現実的な史実と一致しているわけではありません。時として、海王星の力によって人々が抱く理想は、実際におきている具体的な史実とは程遠いかもしれません。しかし、歴史的な真実がどうであったかは、海王星にとっては、大きな問題ではないのです。社会的な世相をみるということは、実際に何がおきたのかではなく、人々が何を信じたのかが重要なのです。新たな歴史は、実際に何がおきたのではなく、人々が何を信じて、何を求めたのか、そしてどんな夢や理想を抱いたのか、ということで造られるのです。

2025年から2026年の間に、海王星が魚座から牡羊座に移動すると、165年間に起きたことと同様に、人々の理想と夢が一新されて、国家や社会的共同体の枠組みが、大きく変容していくことになるのは間違いありません。それが、具体的にどのようなものになるのかはわかりませんが、少なくとも、魚座時代に拡大した、お金の流れ、物資の流れ、人々の流れは、一度強制的にリセットされて、全くことなった境界性が生まれるでしょう。遅くとも、海王星が最終的に牡羊座に入室する、2026年の2月ごろには、全く違った世界になっているはずです。

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