西洋占星術

外惑星の動きから世相を読む (4)

1930年ごろから、現在までの外惑星の動きから、私たちの潜在意識と社会的な世相がどのように変化していったのかを考察してきました。今回は、これらの分析をもとに、2025年から2030年まで、社会がどのように変化していくか、予想します。

2024年から2030年: 冥王星、海王星、天王星のミニトライン

海王星を頂点にして、冥王星と天王星とともに、小三角形を描く、アスペクトが、2024年の7月の終わりごろから、2030年くらいにかけて、続きます。このミニトラインとよばれる星の配置が、以下にパワフルなものであったかは、こちらの記事で検証しました。今回のミニトラインが出来ている時期も、非常に大きな社会的な変革期となると実感しています。すでに、7月の下旬から8月の上旬にかけて、株価が大暴落したり、南海トラフ警報がだされたり、米不足を経験したりして、社会の風向きが変わってきたと思います。

この時期のミニトラインが、第二次世界大戦中に経験したミニトラインと比べて、何がちがうのかということに着目して、おおまかな傾向を見てみたいと思います。

まず、最初に、アスペクトを作っている期間が、5年間以上にわたるという、とても長期にわたっています。これは、社会は時間をかけて、徐々に変わっていくということです。いますぐ、何もおきてないじゃないの、と訝しく感じる必要はありません。おそらく、いろいろなことが積み重なって、様々な経験をへて、5年後振り返ってみたら、今とは全く違った社会に豹変していることでしょう。

次に、ミニトラインの頂点となる星は、海王星なので、変化の要をにぎるのは、海王星です。前回は、冥王星が主導した変革の時期でした。冥王星は、破壊と再生を象徴するので、何事も極端に物事が動きます。なんといっても、戦時中だったわけですから、原爆が落とされたり、生死の境をさまようような壮絶な体験を経てきたのです。

海王星は、冥王星のような大きな衝撃のあるような出来事をおこすのではなく、もっと穏やかです。しかしだからといって、変化が弱いわけではなく、海王星は、目にみえないものを象徴するので、変化があっても、私たちがはっきりとは、自覚できないのです。色々な出来事が次々とおきても、それら一つ一つは、大きな影響がないように感じるかもしれません。しかし、じわじわと、私たちの潜在意識に影響を与えていきます。

海王星が象徴しているのは、目に見えない精神的なもの、スピリチュアル、宗教、夢、理想などです。さらに、癒し、医療、薬品なども含まれます。液体や海という象徴もあるので、海、石油、エネルギーなども、海王星の影響をうけます。エネルギーというのは、私たちの生活の基盤をつくっているので、産業界全体に影響を及ぼし、その範囲はかなり広範囲に及んでいます。

海王星は一つの惑星単体では、その影響力は限られているのですが、冥王星が協力すると、私たちの集合意識が大きくかわるので、社会全体の雰囲気や景気、世相を根本的にかえる力があります。かつて、冥王星と海王星がセクスタイルという協力的な角度をとっていたときに、日本の経済が大きく繁栄し、角度がとらなくなると、失われた30年という、長きにわたって停滞していたというのは、前々回の記事で検証したとおりです。

そして、今回のミニトラインの時期は、冥王星は山羊座から水瓶座へ、天王星は牡牛座から双子座へ、海王星は魚座から牡羊座への、星座の移動をともないます。冥王星と天王星は、地星座から風星座へ、海王星は水星座から火星座の移動です。これらの星座移動は、2024年の後半から2026年にかけておきるので、この時期の社会的な変化が、とくに重要なものとなるでしょう。地星座から風星座の移動は、物質中心の世界から、精神的な豊かさを重視した社会への変容をあらわします。そして、海王星は、12星座を一周して牡羊座に戻ってくるのですから、宗教やスピリチュアルなど、精神性をあらわす分野は、一度リセットして新たな再スタートです。

動きの遅い外惑星がつくるミニトラインは、2030年ごろまで緩やかに角度をとりながら現れ続けますが、必ずしも常に、正確なアスペクトをとるわけではありません。次の図は、9月3日の新月図ですが、天王星、海王星、冥王星がそれぞれ、かなりタイトな角度をとっています。

2024年9月3日午前10時56分 東京  heliocentric占星術 (freehorocharts.com) にて作成

冥王星は山羊座、海王星は魚座、天王星は牡牛座にいて、それぞれ逆行しています。その後、2025年、2026年は、小三角形の形が崩れるのですが、2027年ごろになると、再び、タイトな角度をとった、ミニトラインがあらわれます。2027年になると、それぞれの惑星は、水瓶座、牡羊座、双子座への移動が完了しており、新しい移動先で、再びタイトな小三角形を描くのです。

このような大胆な星の動きから、おおまかに世相を読むと、外惑星が移動する2024年の後半から2026年までは、冥王星の働きによって、社会の大変革が進むと考えられます。そして、2025年、2026年の大変革がどのようになるかは、外惑星がタイトな角度をとっている、2024年の後半の時期が非常に重要だと言えます。つまり、この時期に、私たちの集合意識がどのようにかわるかによって、来年以降、実際に社会がどうかわるかに、影響を与えることになるでしょう。

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