土星と海王星の合 (1) 歴史を振り返る
2026年2月21日、土星と海王星がぴったりと重なります。海王星は1月27日に魚座から牡羊座に入室し、土星は海王星をおいかけるようにして、2月14日に牡羊座に入りますが、2月21日に土星は海王星に完全に追いついて、最もタイトに重なります。
海王星は約165年かけて黄道を一周し、土星は約35年かけて一周しますが、この2つが重なるタイミングは、36年か37年に一度くらいです。それほど頻繁におきているわけではありませんが、今回のイベントが重要なのは、土星も海王星も魚座から牡羊座への移動したばかりのタイミングで、牡羊座の0.45度という場所でおきることです。魚座は12星座の最後の星座であり、牡羊座は最初の星座なので、時代が本当に大きく変わるタイミングを象徴する天体の配置となります。
土星は現実社会をあらわす星で、実直で確実な言動、組織や社会的な権威の力を象徴します。一方、海王星は精神世界をあらわし、人々の夢や理想、無意識や神秘的な事柄、あいまいなもの、詐欺や欺瞞などを象徴します。海王星と土星は、全く異なる相反するものを意味するので、これら二つの星の力があわさることによって、 旧体制の欺瞞を打破し、新しい社会的秩序の創造や変革をもたらす、破壊的で爆発的な力が生じることになります。
直近で土星と海王星が過去に重なったのは、約36年前の1989年です。日本はバブル景気の真最中で、今日でも語り継がれる伝説的な社会現象が多く発生した時期でした。土星と海王星は、1989年3月3日、1989年6月24日、1989年11月13日と、途中逆行期間を経て、最もタイトな角度になる瞬間を迎えます。その間、低金利政策と政府の積極財政政策、金融機関による過度な貸し出しもあり、不動産や株式などの資産価格が急騰しました。そして、11月13日に、土星と海王星が、最後に接近するタイミングを迎えた後、12月29日の大納会で、日経平均はバブル景気時代の最高値を記録することになります。
当時の星の配置をみると、山羊座の10度で土星と海王星が重なり、金星と天王星も山羊座にいました。山羊座は企業社会をあらわす星座なので、まさに株式相場の爆発的な暴騰を招いた結果につながりました。

一方をあらわす木星は反対側の蟹座にいて、山羊座にいる天体に対して、対立する様相をみせています。蟹座の木星は、日本という国の豊かさを象徴するので、かなり矛盾した配置にみえますが、実際には1989年の資産バブルは、単純に日本国内の豊かさをもたらすものではなかったということが、示唆されています。
続いて、さらに前の、土星と海王星が重なった時、1953年ごろの星の配置をみます。この時も、逆行期間を経て、1952年11月21日、1953年5月18日、1953年7月22日の3回にわたって、二つの天体が最もタイトな角度をとるタイミングがあります。
1953年は、戦後復興が進み、新しいテクノロジー、文化が生まれ、日本が大きく発展し始めたときです。とくに、NHKのテレビの本放送が開始した時期で、日本各地のラジオ放送局も開局、本格的な大手メディアが始動し、世論に大きな影響力をもつ時代の幕開けでもありました。
最後のタイミングである、1953年7月22日の星の配置をみます。正義、公平、バランスをあらわす風星座の天秤座の21度で、土星と海王星が重なっています。同じく風星座の双子座にいる、木星と金星からの援護もあり、とても風の要素が強い配置になっています。

一方で、太陽、金星、天王星は蟹座にあり、土星と海王星とは緊張の角度です。蟹座は日本という国の利益を象徴するので、社会的な正義という建前を装いつつも、国家の利益という側面においては、マイナスの要素も強い、ということが読み取れます。
もう一つ前のタイミングも、見てみたいと思います。土星と海王星は、1917年8月1日に、ぴったりと重なっています。この時は、逆行期間を経ていないので、二つの天体が重なるタイミングは一度きりです。
1917年は、1914年にサラエボ事件が発端になってはじまった第一次境大戦の末期で、アメリカが本格的に参戦した年です。ロシア革命によって、初の釈迦主義政権が誕生した年でもあり、日本では対象デモクラシーと呼ばれた社会運動が活発化、シベリア出兵をみこして、お米の買い占め運動がおきたりもしました。
星の配置をみると、土星と海王星は獅子座の4度に重なり、太陽と水星も獅子座にあり、とても獅子座要素の強い配置になっています。木星は双子座にあり、土星と海王星と協力的であり、社会的な変革を成し遂げようとする土星と海王星に、双子座をあらわす情報という面から、木星は豊かさをもたらしていたことがわかります。

獅子座は、日本という国のアイデンティティ、独自性をあらわす星座であり、世界情勢が混沌としている状況において、日本の利益、国家の在るべき姿を、より強い意思をもって、守りぬこうとしていたことがよみとれます。
1917年は、獅子座という火星座で土星と海王星が重なり、世界大戦中の星のイベントであるという点において、2026年の星の動きと共通点がみられます。必ずしも、火星座で海王星と土星が重なると、戦争につながるというわけではありませんが、来年度の星の配置についても、より詳細に見ていきたいと思います。