数秘術,  西洋占星術

J. D. ヴァンス 氏を占う (1)

共和党の副大統領候補、J. D. ヴァンス氏を占います。彼は、政治家の家系に生まれたわけでもなく、むしろかなり困難な子ども時代を送りながらも、海兵隊員の経験を経て、ロースクールを卒業し、まだ39才という若さで、トランプ氏に副大統領候補に指名されたという、ドラマティックな半生を送っています。ロースクール時代に、指導教官から、自伝を書くよう勧められ、『ヒルビリー・エレジー』で知られる彼の自伝は、ベストセラーになり、2020年にはネットフリックスで、映画化されています。

彼の誕生日は、1984年8月2日、誕生時刻は、午前8時11分、出生地はオハイオ州のミドルタウンです。

最初に数秘術でみます。彼は生まれてすぐに、両親が離婚し、その直後に彼の母親が再婚した夫の性、ハリス (Hamel) の名前を長らく名乗っています。結婚したときに、母親の旧姓、ヴァンス (Vance) と名乗るようになり、現在に至るようです。このように、結婚などにより姓名が変わる場合、生まれたときの名前を使うというのが、数秘術では原則なので、James David Hamel の名前を使います。

運命数はで、好奇心旺盛で、既存の枠組みを突破して、新たなフィールドを開拓していく冒険者です。外面をあらわすパーソナリティナンバーが33、内面をあらわすソウルナンバーが22、というぞろ目なので、普通の人では不可能なことでも、いとも簡単に実現することができる強運の持ち主でもあります。

ちなみに、現在の名前、James David Vance でみたときのパーソナリティナンバーで、ソウルナンバーはです。男性が結婚を機に名前を変える人は非常に珍しいことですが、ソウルナンバーのが象徴するように、まさに新な人生をスタートしようという気持ちだったのでしょう。

彼の自伝にも記されていますが、彼が生まれ育った、かなり過酷なものです。実の母親は、鎮痛剤とヘロインに依存し、離婚と再婚を繰り返し、彼は主に祖父母に育てられます。アパラチア出身の祖父母は、アルコールに依存症の貧困層で、暴力と暴言が絶えない環境で、祖母は祖父を殺そうとしたこともあったそうです。アパラチア地域は、ニューヨーク州の南端からアラバマ州北部までに広がる山岳地帯です。かつては石炭の採掘が地域経済の中心でしたが、石炭産業の衰退とともに、住民の多くが職を失い、経済的、文化的、地理的な孤立が進んだ地域です。

彼の出生時のホロスコープをみると、過酷な幼少期の環境を反映しているようで、星の多くが3ハウスと4ハウスに集中しています。兄弟、親戚、隣人をあらわす3ハウスには、月と冥王星と土星が配置され、家庭をあらわし4ハウスには、火星と天王星がいます。彼は、政治家を目指すために、2016年にオハイオ州に引っ越すと、教育、依存症その他の社会的の問題に取り組み始めます。幼少期の経験は、彼の政治家として原点となっていることは間違いないでしょう。

一方、3ハウスには、コミュニケーション、情報、通信をあらわす場所でもあります。3ハウスの土星が、1ハウスにいる乙女座の水星と調和の角度をとっているのは、堅実で実務的な処理能力の高さ、理論的に考察する力があることを示しています。また、射手座の天王星が獅子座の太陽と安定的な角度をとっているので、革新的なテクノロジーを積極的に取り入れて、常識にとらわれないで、新たなアイデアを積極的にとりいれることに長けています。

彼は、ロースクール卒業後に、ピーターティールが所有するベンチャーキャピタル会社で社長を任されています。ピーターティールは、ペイパルの共同創業者でFacebookのMeta社にも投資していた起業家です。テクノロジーに強く、IT分野での人脈をもっていることは、政治家としてキャリアを築くうえでも、大きなアドバンデージです。

次に、トランプ前大統領との相性をみてみます。生まれ育った環境を考えると、不動産王の息子として、経済的には不自由ない子ども時代を送ったトランプ氏とは、明らかに、真逆の生い立ちです。1946年生まれで78才になるトランプ氏と、1964年生まれで39才のヴァンス氏は、年の差だけ考えても、親子以上に離れています。

トランプ氏の出生図と、ヴァンス氏の出生図を重ねてみます。全般的に協力的でよい角度の星が、が目立ちます。まず、ヴァンス氏の天王星は、トランプ氏の冥王星と安定の角度です。これは、ヴァンス氏のアイデアが、トランプ氏が窮地においこまれたときに、大きな救いになるということを示しています。

次に、ヴァンス氏の水星とトランプ氏の水星が重なっています。理論的で計画的な考え方をすることにおいては、二人の意見が異なるということはまれで、よく協力関係が築けるでしょう。また、ヴァンス氏の月と太陽は、トランプ氏の星とどれも安定的な角度をとっているので、ヴァンス氏はトランプ氏を信頼しているし、十分なサポートを与えられる状況であることは、間違いなさそうです。

一方、ヴァンス氏の火星が、トランプ氏の土星と角度をとっていることが少し気がかりです。同時に、ヴァンス氏の土星がトランプ氏の冥王星と緊張の角度をとっていることも、注意が必要です。あまり、アグレッシブにトランプ氏を刺激しない方がいいでしょう。

ヴァンス氏は、2016年の大統領選挙では、トランプ氏に投票しなかったそうです。トランプ氏の初期の経済政策は、労働者階層を犠牲にして富裕層に利益を与えているものとして、批判的でした。しかし、現在は、米国の製造業の復興や貿易政策、ウクライナへの支援の停止など、トランプ氏を擁護する立場をとっています。

一方、トランプ氏は、前回の選挙で副大統領のペンス氏で裏切られた経験を経ているので、絶対的に信用できる人材を選択しなければなりません。入念にバックグランドをチャックした上での人選だと思いますが、結果として、政治経験に浅く、ビジネスエリートとも程遠い、ヴァンス氏を指名してくるところは、とても興味深い人選です。しかし、ホロスコープをみてみると、しっかりと信頼関係が読みとることができるので、占星術は本当に面白いと思います。

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