2025年7月5日を占う (2) 天王星の双子座入り
海王星と同様に、7月5日の星の配置で、重要な役割を担っているのは、天王星です。天王星は約84年かけて黄道をし、一つの星座には約7年間滞在します。天王星は、2019年3月から牡牛座に滞在していましたが、2019年から続いた、牡牛座天王星時代の流れが終わり、新たな、双子座天王星時代へ向けての社会の変革が、2025年7月7日から加速します。その直前である7月5日は、天王星は海王星、冥王星という影響力が大きな外惑星と協力的な角度をとり、さらに、近くに金星もいるという、とても天王星にとって心強い配置になっています。
天王星双子座時代は、コロナ禍を経て、牡牛座が象徴するお金や資産にかかわる価値観が激変した時代でした。ビッドコインのような仮想通貨による投資も活況を帯びて、都市部の不動産の値段が跳ね上がり、資産をもつものともたないものとの格差が広がった時代でもありました。このような資産を所有していることが豊かさにつながる時代は一段落、新たな天王星双子座時代では、AIを駆使した情報を、巧妙に操れるもの、情報操作の仕組みが理解できるものにとって、豊かさを享受できる時代へと変容します。
すでに、天王星が牡羊座入りした、2011年ぐらいから、スマホが登場して、新たな情報化時代が幕あけしています。双子座は風星座であり、情報や知識、コミュニケーションや言語能力を象徴します。同じ風星座である水瓶座にいる冥王星と角度をとっているので、双子座がもっている風の要素は、さらに強化されます。しかも、天王星は水瓶座の支配星でもあるので、より社会的で、個人と個人のコミュニケーションではなく、個人個人が、集団の中で、力を発揮して、影響力を与え合っていく、よりフラットな社会的基盤を作るように変革していきます。
冥王星は、破壊と再生をあらわす、強力な力をもっている天体です。家や建築物を作るときに、一部を作り変えながら、少しずつリフォームをしながら変えていくのではなくて、一度土台から全てを破壊して、新たな構造物を立て直すのが、冥王星のやり方です。問題は、何を破壊するのか、です。山羊座と牡牛座は地星座なので、物質的なもの、経済的、金銭でもの言わせるような利益主義や利権、社会的な権威や威厳を誇示するような保守的な固定観念、などが失われていくことになります。
天王星は予期せぬ変化をあらわす星であり、破壊と再生を意味する冥王星と角度をとりながら、星座を移動することは、とても大きなイベントです。天王星も冥王星も、既存の社会的なシステムを一変する力をもっていますが、必ずしも不吉なことの前兆を意味するのではなくて、星の配置には、喜ばしく、明るい未来を予兆するような傾向も、同時にみることができます。
まず、幸運の星金星が、天王星のすぐ近くにいることです。AIの発展による情報革命は、結果的には、私たちに新しい楽しみ方の可能性を広げ、つらくて単調な労働から解放してくれるものであることは、間違いありません。
さらに、豊かさをあらわす木星は、国民をあらわす月と協力的な角度をとっています。同時に、木星は土星と海王星と緊張の角度をとり、月は冥王星に緊張を強いられる配置です。国民にとっては、決して楽な配置ではなく、表面的に困難に見舞われるようなことでも、長期的にみれば、恩恵を得られると解釈できます。
同時に月は、双子座にいる金星、水瓶座の土星とともに、ヨッドと呼ばれる複合アスペクトを描いています。ヨッドは、神の手と世暴れることもあり、神に定められたかのような、逃れられない宿命を背負うと言われます。試練を意味するアスペクトですが、この困難を乗り越えることによって、大きな成長や飛躍を遂げられることも、同時に暗示でしています。
この時期におこることは、良いか悪いかという、二元論的な解釈では、悪いことかもしれません。人々にとって、今までの生活が変化して、同じような価値観を維持できなくなることは、潜在的な不安を呼び起こしやすく、受け入れがたく感じるかもしれません。冥王星が象徴する破壊と再生ですが、破壊ばかりに意識がいき、その先にどんな未来がまっているのが、イメージできないと、耐えがたい苦痛のみに囚われるようになってしまいます。破壊の後に何を再生するのか、人々が新たな価値観で何を築くのか、そこに注目していくことが、より重要になっていきます。