02 西洋占星術,  03 東洋思想,  04 四柱推命

十二支と十二星座 (1)

十二支(じゅうにし)とは、「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」の総称です。古代から、日付、時刻、方位などを表す記号として、使われてきました。この十二支に、五行陰陽説を当てはめたものが、四柱推命など、暦を使う占いのツールとして、要になっていて、十二支を理解することは、占いの本質を理解するうえで、とても重要な基本です。

十二支には、それぞれに五行、「木、火、土、金、水」の要素が割り当てられており、これを蔵干といいます。命式など、60干支の五行バランスは、「甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸」であらわされる、10干の五行バランスだけでなく、十二支に含まれている、蔵干によって、大きく変化します。

十二支の五行バランスを、体系的に理解するためには、そもそも十二支って何なの?という点を、押さえる必要があります。まず、ポイントを押さえると、十二支のうち、「子、卯、午、酉」は、方位や季節をあらわすものであり、季節をあらわす、五行が象徴的に割り当てられています。十二支のそれぞれの五行は、複数の五行が含まれているものが多いのですが、この4つの支には、単独で一つの五行が割り当てられます。つまり、北の象意、子は冬をあらわすので、水、東の象意、卯は春をあらわすので、木、南の象意、午は夏をあらわすので、火、西の象意、酉は秋をあらわすので、金です。

ただし、例外的に、午は、土の要素ももっています。これは、火の要素と土の要素が一緒になると、2つの五行を同時に強める働きがあるという、火土同根という考え方によるものです。

次に抑えるポイントは、「丑、辰、未、戌」です。この4つの支は、季節の変わり目にあるもので、土の要素が強い十二支です。季節の変わり目である、立春、立夏、立秋、立冬の、直前約18日の期間を土用と呼ぶのは、この五行の要素の考え方がもとになっています。立春の前の丑は、冬の土用であり、立夏の前の辰は春の土用です。それぞれの季節の五行と、土の五行をもちます。丑は冬の象意である水と土、辰は春の象意である木と土です。さらに、その一つ前の季節の五行をも含みます。つまり、丑は水と土に加えて、秋の象意ある金を含みます。辰は、木と土、さらに冬の象意である水の五行をもちます。同様に、秋の土用がある戌は金と土、そして火です。夏の土用になる未は、火と土、そして春の象意である木の要素をもちます。

そして、残る十二支は、「寅、巳、申、亥」の四つです。この4つの12支は、季節が始まりをあらわす支です。寅は、春のはじまりであり、立春のであり、巳は夏の始まりを示す立夏です。同様に、申は立秋、亥は立冬です。この四つの支は、始まる季節の象意と、その一つ先の季節の象意をもちます。寅は春の象意である木と、夏の象意である火の要素をもちます。巳は夏の象意である火と、秋の象意である金をもちます。同様に、申は金と水、亥は水と木の要素をもちます。

このように、季節そのものをあらわす、「子、卯、午、酉」の四つの支を正支 (せいし)、季節の変わり目にある「丑、辰、巳、戌」の4つを墓支 (ぼし) 、季節の始まりである「寅、巳、申、亥」の4つを生支 (しょうし)と呼び、まとめると以下のようになります。

春の季節をあらわす、生支、正支、墓支の3つの支、「寅、卯、辰」がそろうことを、東方合とよび、木のエネルギーが非常に強まります。同様に、南方合の「巳、午、未」は火の要素を、西方合の「申、酉、戌」は金の要素、北方合の「亥、子、丑」は水の要素を増大させます。

また、墓支の4つ「辰、未、戌、丑」は四墓 (しぼ) と呼び、この4つが揃うと、土の要素が非常に強まります。

十二支の五行要素は、このように単独の支がもっている要素が、独立して存在しているのではなく、他の十二支や十干との組み合わせによって、相互に影響しあい、五行のエネルギーを強めたり、もしくは弱めたり、さらには他の五行に変換されたりして、実際の鑑定ではもう少し複雑です。詳細は、四柱推命の流派や、鑑定士の考え方によって、異なる部分も多く存在するのですが、この4つの方合と、四墓という組み合わせは、基本中の基本ともいえるのもので、絶対に抑えておかなければいけないポイントです。

さらに、方合と同様に、3つの支の組み合わせとして、重要なものに会局という関係があります。会局の3つの組み合わせは、方合よりもさらに強く影響があり、それぞれの五行の要素を強めます。会局は、それぞれの要素をもっている、生支、正支、墓支の組み合わせが、季節をまたいで、成立します。会局の組み合わせをまとめると、以下のようになります。

会局は、それぞれの季節の正支から、1つ前の季節の生支と次の季節の墓支から成立します。木の正支である卯から、つまり、三合木局は、春の正支の卯、冬の生支である亥、そして夏の墓支である未です。そして、三合火局は、夏の正支である午、春の生支である寅、金の墓支である戌です。同様に、三合金局は巳、酉、丑の3つの支で成立し、三合水局は、申、子、辰の組み合わせになります。

また、三合火局については、前述したように、火土同根という考え方にもとづいて、火だけではなく、土の要素も強めるとされています。

さらに、十二支には、五行だけではなく、陰陽という要素もあります。陰陽は、子が陽で、丑が陰、寅が陽で、卯が陰、といように、陽と陰が交互に割り当てられています。会局の組み合わせでみると、三合木局の「亥、卯、未」、三合金局の「巳、酉、丑」は陰の支であり、三合火局の「寅、午、戌」、三合水局の「申、子、辰」は陽の支になります。

ちなみに、三合木局の3つの支が陰であるというだけであり、決して、木という五行が陰であるということではありません。十干に、陽の木の甲、陰の木の乙があるように、五行にはそれぞれ陰と陽があり、五行そのものが、陰と陽に分かれるということではありません。だからこそ、十干のうち、陽の干は陽の支と組み合わさり、陰陽のことなる干支の組み合わせは存在しないのであり、それゆえに、60干支は、60の組み合わせしかありません。

このように、十二支には陰陽という二元素、季節のはじまりと季節そのもの、季節の変わり目を区別する、生支、正支、墓支という三元素という考え方があります。そして、五行というのは、それぞれの季節とのかかわりの中で、原則として、規則的に割り当てられています。

さて、季節のはじまりと終わりを意識するという点においては、西洋占星術でつかう、十二星座の3つの区分、「活動宮、不動宮、柔軟宮」と、全く同じでないか、と気づいた人も多いと思います。そうなんです。同じなんです。また、回局という組み合わせは、「火、地、風、水」という四元素と酷似しています。次回のブログでは、この十二支と十二星座の関連性について、考察していきたいと思います。

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