2024年 アメリカ大統領選を占う
11月5日に行われる、アメリカ大統領選挙を占ってみたいと思います。今まで、トランプ氏やハリス氏の運勢は詳細にみてきたのですが、今回のように、時代が大きく動こうとしているときの選挙は、個人の運勢の吉凶だけで、判断はできないと感じました。
そもそも、個人的な運勢がいいかどうかいうのは、一つの視点にすぎません。実際、石破総理の運勢も、あまりよくありませんが、総裁選には勝利しました。今回は、もう少し俯瞰的に、アメリカの始原図を中心にして、見ていこうと思います。
アメリカの始原図というのは、アメリカという国家が誕生したときのホロスコープです。日本のように、歴史が長い国では、いつが誕生日なの?って感じになるので、どのホロスコープを使うのか、という判断は難しいのですが、アメリカの場合は、占星術師の間で、時間、場所ともに、ある程度共通のものが使用されているので、これを使います。
最初に、アメリカの始原図と、11月5日、選挙当日の経過図を重ねてみます。これは、アメリカという国にとって、この選挙がどのような意味をもたらすのか、という大まかな傾向をみるためのものです。
まず目立った星の配置は、始原図の冥王星に、経過図の冥王星が接近していることです。冥王星が、国が生まれたときの場所の位置に戻ってくる、冥王星回帰という事象は、冥王星の公転周期、248年に一回あることですが、現在アメリカは、この冥王星回帰の時期にいます。
アメリカの占星術師の間で、よく使われている冥王星回帰の期間は、2022年2月22日から、2024年11月19日で、ちょうど、冥王星が水瓶座から冥王星の移動を完了しようとしている時期と一致しています。つまり、冥王星の星座移動は、アメリカという国家にとって、通常以上に、大きな意味を成すものなのです。
冥王星が意味するものは、死と再生です。外惑星の一番外側にあり、もっとも長い公転周期をもつ冥王星は、私たちの集団意識を、根底からひっくり返すくらいの、大きな力をもった天体です。この天体の影響力を、アメリカはもろに受けようとしているところなので、常識では考えられないようなことが起こる、と覚悟してみる必要があります。
次に、太陽と月の配置に着目します。太陽は国家、月は国民をあらわします。始原図の太陽と経過図の太陽は、はっきりとした協力的な角度をとっているし、同時に角度はやや弱いですが、経過図の土星と始原図の太陽も協力的です。
一方月についてみると、始原図の月は、経過図の天王星に対して、緊張の角度です。そして、経過図の月は、始原図の木星と金星に対して、対立する角度です。そして、経過図の月と、経過図の天王星、そして始原図の水星が、ヨッドと呼ばれる、三角形を描いています。ヨッドの頂点にあるのが月なので、これは国民にとっては、困難と波瀾をあらわす形となっています。
月と太陽の配置からみると、明らかに、太陽の方が力が強く、選挙の結果は、残念ながら、多くの国民の意思に反したものになりそうです。もしくは、選挙の結果は民意を反映したものだったけれども、その後紆余曲折あって、反対側の結果におちつく、というようなことになるかもしれません。
次に金星の配置をみます。経過図の金星は、始原図の火星と対立する配置にあり、その金星と火星の間には、始原図の海王星がいて、金星と火星、海王星の3つの天体で、直角三角形を描いています。この三角形どこかで、見覚えがあるぞ、と思いましたが、以前、トランプ氏の運勢を占ったとき、トランプ氏の出生図とアメリカの始原図を重ねたときと、同じものでした。トランプ氏の出生図の月が、選挙当日の経過図の月と重なっているので、同じ三角形が描かれたのです。
金星は大衆からの人気運をあらわすので、トランプ氏が圧倒的で、熱烈な支援者によって人気をえるのは、星の配置通りの必然です。しかし、この人気が、アメリカの始原図の星の配置と敵対するわけです。
となると、もはや選挙の結果は、はっきりでたも同然です。残念ながら、トランプ氏圧倒的な国民から絶大な人気をえながらも、その圧倒的な人気ゆえに、大統領になれない、ということです。少し穿った見方をすると、トランプ氏が大統領になれないことによって、現在のアメリカの大衆は、民主主義の限界に気づき、その気づきを与えることが、トランプ氏の役割とも言えそうです。
このような結論を書くと、選挙というのは、民主主義で多数決で決まるのだから、人気のある人が当選するのが当然だろ、とか反論をうけそうです。しかし、もっと、社会の仕組みを俯瞰してみれば、必ずしも人気のある人が当選してないことは一目瞭然です。石破氏も岸田氏も、その前の菅氏も、人気なんてなかったですよね。
これは、アメリカは大統領制で直接選挙なんだから、人気のある人が選ばれるはずだ、というのも幻想です。はっきり言って、アメリカの選挙制度は、日本の総裁選挙よりもずっと複雑です。そして、バイデン氏も人気なんてなかったし、2016年にトランプ氏が当選したときでさえ、圧倒的にヒラリー氏が優勢といわれていた下馬評を、ひっくり返しての当選でした。
人気もなければ、うだつもあがらない大統領のもとで、他国の戦争は支援して、国民のためになる政策とは程遠い愚策をあえて取り続ける国家に、人々が心の底からうんざりしないと、国は再起できません。冥王星が248年ぶりに、始原図の元の場所にもどってくる現在だからこそ、この選挙の結果をどうみるか、アメリカという国家が試されていると言えるでしょう。