ショーン・コムズ氏を占う(2)
前回の投稿に続いて、ショーン・コムズ氏を占います。今回は、命式を出して、主に、四柱推命でみます。
コムズ氏の誕生日は、1969年11月4日なので、命式は、日柱が癸未、月柱が甲戌、年柱が己酉となります。日柱の空乏は、申酉空亡で、年干が己なので、空亡で運命星をみると、金星人のマイナスです。
金星人は、芸能界や政界、人前にたつことが多い、華やかな職業についている人が多い運命星です。さらに、金星人のマイナスの人は、18才から36才までに、物事の成果が結実しやすい幸運期をむかえます。コムズ氏の場合は、大学に入学して、音楽業界でのキャリアを積み上げ、順調な、もしくは、順調すぎると言いてもよいくらいの、活躍を遂げていた時期です。
年運でみると、2024年、辰年の運勢は油断で、来年から運気が好調な時期を迎えます。現在の運気の流れとしては、決して悪い時期ではなく、さらに、数々の裁判が予定されている来年からは、大運、年運ともに、幸運な時期です。
また、コムズ氏は令年年生まれなので、反対側の星の影響をうけやすく、自分自身の中で、矛盾した感情を抱えやすくなります。それと同時に、逆向な状況におかれても、それをはねのける強さがあり、通常では考えられないような、大きな成功をおさめることもできます。
コムズ氏のように、何らかの理由で犯罪の疑いをかけられて、実刑判決をうけるような時期の、運気の良し悪しに対する考え方は、占い師の間でも、意見がわかれます。社会的に悪いことをしたのだから、その報いをうけるのは当然で、自分の行いを正す機会をえられる のだがら、運気が良いと考える見方もあります。一方で、本人が望む生き方や利得は、社会的な正義よりも優先すべきことであり、刑罰をうけて、刑務所で過ごすような時期は、運気の低迷期であるという見方もあります。
どちらの見方が正しいというわけではありませんが、実際に、実刑判決をうけた人の運気を調べてみると、運気がもっとも低迷する令の年で、刑務所に入って、全ての人生をリセットしなければならないという、苦難を強いられる、という場合が圧倒的に多いです。しかしその一方で、刑務所に入ったときが、運気絶頂の幸運期という人も、珍しくないのです。
これはどのように解釈すべきかについて、私はこのように考えています。占いとしては幸運な時期なのに、何らかの理由で、人生をリセットするということは、本人が顕在意識で認識しているか否かにかかわらず、潜在的にはそれを望んでいるからです。このケースに当たる場合は、薬物依存などの、何らかの重度な依存症に陥っていていたりして、自分自身で人生をコントロールできなくなっているときです。
続いて、命式から五行バランスをみてみます。コムズ氏の日干は癸なので、コムズ氏の自分自身のあらわす五行エネルギーは水です。全体的としては、土のエネルギーが強く、土は水を攻撃するエネルギーなので、コムズ氏の命式は、とても官星が強い命式です。
これは、官星は、社会的な規律や秩序を重視する、西洋占星術でたとえると、土星のような星です。本来だったら、公務員や銀行員など、社会的な硬い仕事がむいている星です。少し意外な感じがしたので、これは、生まれた時間がお昼ごろなのではないかなあと推測しました。もし正午前後に生まれたと仮定すると、時柱は戊午となるので、五行バランスがかなり変わってきます。
このバランスだと、土のエネルギーも強いですが、それ以上に火のエネルギーが強くなります。火は水に攻撃される星になるので、コムズ氏にとっては財星になります。財星は、その名の通り、お金や資産をあらわす星です。財星があるから、金運に恵まれるというわけではありませんが、財星を持っている人は、お金を管理したり、お金を増やす能力に長けています。
命式の中で、月干にもっている甲は、本来は木のエネルギーなのですが、となりにある年干の己と一緒になると、土のエネルギーにかわるという性質をもっています。同様に、もし、時干が戊だとすると、戊のとなりいる日干の癸と結びつくと、戊と癸が、火のエネルギーにかわります。このように、本来の五行エネルギーが、例外的に他の干とむすびついて、違うものに変化することを干合と言います。コムズ氏の命式は、干合する組み合わせが少なくとも1つ、もし時柱が、戊午とすると、2つもあることになります。
干合する組み合わせは、上手くそのエネルギーを使えれば、通常では考えられないような、底力を発揮することもできます。しかし一方で、一つの干が、異なったエネルギーを同時に秘めているということなので、自分の中で、矛盾した感情を抱えこんでしまいがちです。
とくに、自分の星が癸で、火のエネルギーが強いとき、水と火は反発しやすく、激しく衝突しやすいので、この強い衝動や湧き上がる情熱を、どのように昇華させるかが、とても重要になってきます。
コムズ氏のように、紆余曲折のある人生だったりすると、その命式がどのようなものであるのかは、占い師としては、とても興味深く、関心をもつ人も多いと思います。ただし、大きな犯罪を犯して刑務所で過ごすような人の命式と、普通の人では、到底達成できないような偉業を成し遂げるような人の命式には、共通点が多いのです。
四柱推命など、東洋の占いは、吉凶をはっきりと出そうとする傾向がありますが、極悪な大凶の命式なのか、それとも、大きく飛躍する大吉の命式なのか、それをはっきり、占術だけで区別する術など、私は存在しないと思っています。命式にあらわれている本質を、上手くいかせるか否かは、本人の生き方の問題であって、占術で判断できるものではないと考えているからです。