トランプ前大統領を占う (3) 暗殺未遂を経て
アメリカ東部ペンシルベニア州バトラーで7月13日、トランプ氏が選挙集会で演説を行っていたところ、ステージに向けて複数回の銃撃がありました。この銃撃でトランプ氏は右耳にけがをし、シークレットサービスに囲まれて会場から退避しました。幸いにも、トランプ氏の命は助かりましたが、集会に参加していた1人が死亡し、2人が重傷だということです。
トランプ氏をねらった銃弾は、トランプ氏がプロンプトをみようとして、顔を傾けた瞬間に、トランプ氏の顔面のすぐ横に放たれたので、もしこの時、顔を傾けなかったら、危なかったという感じでした。ちょうど打たれた直後、流血しながら、トランプ氏が右腕を力強く揚げて、背後には星条旗がたなびいている写真が、あまりにも完璧な構図で、力強く、印象的な写真でした。
危機一髪で命を助かり、結果として、アメリカの世論はトランプ氏支持に一挙に傾いた感じがあるのですが、一部では自作自演ではないかという、疑念の声もあるようです。しかし、自作自演だろうが、なんらかのトランプ氏を妨害しようとする勢力によるものであろうが、そんなことはもはやどうでもいいことだと思います。詰まるところ、真実がどうであるかは、誰もが簡単に知りえることではなく、ただ単に、人々が真実だと思っている妄想によって、社会は構成されているのです。これから、トランプ氏に対して、いろいろなパッシングはあると思いますが、このまま、選挙が無事に行われれば、次期大統領は、トランプ氏で決まるでしょう。問題は、選挙が無事におこなわれるかどうかですが、前回の選挙は、かなり怪しかったので、油断はできません。
演説は、現地時間の18時すぎに始まり、演説が始まって7分ほどたったときに、銃撃があったということなので、現地時間18時8分、ペンシルバニア州バトラーのホロスコープをみてみます。
天王星と火星が、牡牛座の26度で重なっている、とてもエネルギッシュなホロスコープです。天王星、海王星、冥王星は、海王星を中心にして、小さな三角形を描いており、これから、社会が大きく変わっていきそうな雰囲気が読み取れます。天王星と火星は、太陽と協力的な角度、太陽と月が緊張の角度です。犯人はすぐに捕まったということですが、真相はわからないままで、国民と国家との間に、大きな不信感が生まれるでしょう。
銃殺があったときの経過図と、トランプ氏の出生図を重ねてみます。トランプ氏の出生図については、こちらで詳しく解説しているので、参考にしてください。
経過図の火星と天王星が、出生図の火星を緊張の角度で、激しく攻撃しているようです。経過図の土星も出生図の月と天王星にきつい角度をとっているので、かなり厳しい配置です。
しかしその一方で、強い援護を感じられる惑星も多くあります。経過図の天王星は修正図の水星を助け、経過図の木星は出生図の冥王星をサポートします。冥王星は、死と再生を象徴する強い惑星なので、この配置は心強いです。天界から強く守られているというトランプ氏の運気の強さを感じる配置になっています。
さらに、経過図の月が、出生図の太陽と協調的な角度です。経過図の月は、大衆的な人気をあらわしています。多くの人が、トランプ氏を応援する気持ち、サポートする意思、トランプ氏の無事を祈る気持ちは、大きな援護になるはずです。
次に、アメリカの始原図とトランプ氏の出生図を重ねてみます。内側がアメリカの始原図で、外側がトランプ氏の出生図です。アメリカの始原図については、こちらを参考にしてください。
とても力強いホロスコープです。アメリカの始原図のアセンダントに、トランプ氏の月が近接しています。月はトランプ氏の大衆的な人気を象徴しています。
アセンダントの反対側に出生図の太陽、そして始原図の火星があります。トランプ氏の人気は、アメリカの国家にとっては、ある意味対立する関係にあるのです。残念ながら、大衆的な人気が、アメリカという国家を動かす、という単純な構図にはならないのです。
そして、出生図の月と始原図の火星の丁度中間地点に、始原図の海王星があります。海王星は目にみえないものを象徴します。海王星は、始原図のMCの近くにあり、アメリカ始原図全体の惑星を監視しています。目に見えない全体的な政治勢力を海王星とするならば、海王星の微妙な匙加減によって、トランプ政権は援護をもらえたり、または妨害にあったりしている、と言えるでしょう。
トランプ氏の出生図の海王星も重要な役割をしています。出生図の海王星は、始原図の木星に対して、緊張の角度であり、始原図の木星の近くには、金星も接近しているので、金星に対しても、同じように緊張を与えています。海王星は、トランプ氏の直観力やスピリチュアル的な力をあらわしていますが、これらの目に見えない力は、アメリカと言う国家にとっての発展や豊かさを制裁するような形になっています。
実際には、2017年から2020年の任期のとき、トランプ氏のもとで、アメリカの景気は順調に発展したので、この星の配置は、ちょっと現実を反映していないかもしれません。しかし、国家にとっての豊かさと、アメリカ国民にとっての豊かさは、必ずしも同じではありません。トランプ氏の政策は、アメリカの国民一人一人にとってはメリットが大きくても、アメリカと言う国の真の主権者にとっては、利益を相反ものものなのです。
全体として、タイトな角度をとっているので、アメリカという国にとって、トランプ氏の存在はなくてはならないといってよい、重要な人物であることは間違いありません。トランプ氏には、大衆からみて、理想的で、強いリーダーとして、絶対的な存在感があります。
しかしながら、その一方で、トランプ氏自身にかかる、期待の大きさや責任の重さを、これらの緊張感のある星の配置から、感じることができます。どちらかというと、トランプ氏はアメリカをさらに強く発展させることよりも、既存のシステムを再考し、無駄なものを排除していくことに天命があるようです。