2025年6月21日 夏至図を読む (1) 日本
2025年6月21日、午前11時41分に、日本では夏至の日を迎えます。夏至は、太陽が蟹座に入る昼の時間が最も長くなる日で、黄道上で太陽が蟹座に入るイベントです。夏至の日の星の配置は、9月23日の秋分の日を迎えるまでの3か月間の運勢や世相をみます。この3か月間は、7月に国政選挙を控えて、日本にとっても大きな転換期になりそうな時期です。夏至の日の星の配置も、何が起きても驚かない、とても力強いエネルギーを秘めた、大胆な夏至図になっています。
最初に日本の夏至図をみます。日本の春分図では、ディセンダントの近くに、土星、海王星、太陽が配置され、さらに7ハウスには、金星と水星がいました。ディセンダントと7ハウスには敵国、または同盟国をあらわすので、アメリカや中国など、日本に影響を与える諸外国の状況に、焦点があたっていました。
この状況は、夏至図においても引き継がれており、夏至図においても、ディセンダントの近くに、土星と海王星が配置されています。春分図においても、夏至図においても、土星と海王星は、動きの遅い天王星と冥王星の間に配置されて、これらの外惑星と協力的な角度をとっています。土星と海王星は、夏至図においても、春分図においても、主役と言っても言える重要な天体で、同じような重要な場所に位置しているというのは、とてもメッセージ性が強いことです。動きが遅い天体が、3か月前と同じ星座にいるというのは、当然なのですが、ハウスや感受点の位置が近いということは、単なる偶然ではありません。春分図で示唆されている、大きな世界的なイベントが、この夏至図から3か月間の間に起こる、と考えてよいでしょう。

そして、日本の夏至図において、もう一つの大きな特徴は、太陽と木星がMCの近くにいることです。MCは、黄道と子午線との交点で、星が最も高く昇る場所で、社会的な使命や到達点、目標などをあらわします。そこに国家をあらわす太陽と、拡大と発展を意味する木星がいるということは、国家的な権力や役割が非常に大きくなることを暗示しています。
ディセンダントの近くにいる海王星と土星、そして海王星と土星と90度という緊張の角度をとっている、太陽と木星が、今回の夏至図の重要キャストです。海外からの圧力や脅威などによって、日本の国家的として威厳や権力、コントロールが飛躍的に強まる時期です。
蟹座に入ったばかりの太陽に、木星がしっかりとサポートすることによって、蟹座がもつ国や家族、親密な人同士の仲間意識など、より閉鎖的で排他的なコミュニ―ティーを守ろうとする意識が強まります。国とは何か、家族とは何か、一人一人が再認識を促されるときです。
そして、太陽と海王星の間には、ちょうど等間隔で月と天王星が配置されて、それぞれ太陽や海王星に協力的な角度をとっています。月は牡牛座の0度であり、天王星は牡牛座の最後の度数、29度です。月は太陽と木星に対して、協力的な角度をとっています。月は大衆をあらわすので、国の権力が強くなっている状況に対して、国民は潜在的な意識においては、国に対して協力的です。その一方で、月は冥王星から強い圧力をうけています。国が行うことを全面的に信用しているのですが、実際には、もうこれ以上は我慢できない、というような矛盾した感情をかかえています。さらに、12ハウスにいる火星が、火に油をそそぐような形で、人々の感情を刺激しているのです。
さらに月と天王星の中間地点に、金星があります。このように、全ての天体が、等間隔でバランスよく配置されているのが、今回の夏至図の特徴です。全ての天体のちょうど真ん中にあるのは、牡牛座、8ハウスの金星です。金星は牡牛座の支配星で、物質的な豊かさを意味する牡牛座で、金星の力が遺憾なく発揮できる星座です。その金星が、金融市場をあらわす8ハウスにあるというのは、日本にとって大きな救いです。
8ハウスがあらわす金融市場は、予期できない出来事や、不確定要素が強いものを嫌います。常識的に考えれば、天王星や冥王星、海王星という外惑星が力をもっているとき、安定的な経済状況が続くと考えるのは楽観的すぎます。が、それでも牡牛座の金星が力を発揮するとき、この時期に起こることは、長期的にみれば、個人個人の生活の本当の豊かさを見直す、重要な転機になるはずです。