西洋占星術

2024年12月21日 冬至図を読む

2024年12月21日は冬至です。冬至は一年のうちで、最も昼間の時間が短い時であり、太陽の力が最も弱まる日です。占星術では、太陽が山羊座に入室するタイミングで、その瞬間のホロスコープが冬至図です。

冬至図は、冬至から春分まで、3か月間の世相をあらわします。前回の秋分図では、海王星を頂点にして、冥王星と天王星の外惑星、さらには、海王星の反対側に太陽が配置された、カイトと呼ばれる複合アスペクトが描かれていました。太陽は国家をあらわすので、国家的な規模での、大きな変容をあらわす秋分図でした。秋分の日からの3か月間、日本では石破内閣が誕生し、アメリカではトランプ大統領が再選され、フランスでは62年ぶりに内閣府死人案が可決され、シリアのアサド政権が崩壊し、韓国では戒厳令が発動されました。この3か月間におきたことは、これから海王星が牡羊座に移動する、2025年から2026年にかけての、激動の時代への布石になります。

今回の冬至図では、カイトのような派手なアスペクトではありませんが、木星、土星、月、水星が正方形を描く、グランドクロスという複合アスペクトができています。木星は双子座、土星は魚座、月は乙女座、水星は射手座にあり、柔軟宮でできるグランドクラスです。柔軟宮は、季節の変わり目にある星座であり、社会や世相、周囲の変化に柔軟に対応していこうとする、星座の特徴が、とくに強まる時期です。

この中でも、木星のいる双子座、射手座の水星は、媒体を問わない数々の情報をあらわし、これらは、真偽や信憑性の有無を曖昧にしながら、多くの人々に流布されていきます。情報を受け取る側でもあると同時、発信する側でもある国民を月があらわし、その月に対して、魚座の土星が牽制しています。

それぞれの星座のキーワードは、双子座は I think 乙女座は I analyze 射手座は I understand 魚座は I believe です。この3か月間は、物事の認知の仕方がテーマになります。考えて、分析して、理解して、信じるのです。何かの権威やルールに従って、正しいのか正しくないのか、闇なのか光なのか、信頼できるのか否か、簡単に結論づけることができなくなる混沌とした時代に突入です。

日本の首都、東京では、12月21日、午後18時1分ごろに、太陽が山羊座に入室します。MCの近くにある天体は海王星で、海王星は支配星の魚座にいます。混沌とした中にいながら、I believe がこの当時期間中の中心的なテーマとなり、人々は自分が信じる世界を守ろうと必死になります。

国民を表す月は、3ハウス、情報やメディア、通信をあらわす水星は5ハウス、繁栄の星、木星は11ハウスにあります。3ハウスは情報や流通、5ハウスはエンターテインメントや芸能、11ハウスは政界や議会をあらわします。

どの情報を信じるか、どの議員を信頼するか、どういうエンタメを楽しむか、というような視点によって、人々は自分の考え方が合う仲間をなんとなく模索していくような感じになります。今までなんとなくつきあっていた人間関係やネットワークに見切りをつけて、志を同じくする新たな人々とのつながりを求めていく人が増えそうです。

グランドクラスの次に目立つ配置は、正方形の中央に突き抜ける、直線状に配置された冥王星と火星です。火星は1ハウス、冥王星は7ハウスにいます。1ハウスは、国家の主権をあらわす国民の場所であり、7ハウスは、同盟国、敵国など、日本と関係の深い国家の場所です。諸外国からの軋轢に、今まで以上に敏感になり、国の移民政策や、外国への援助金などに対して、反発も増えそうです。しかし、冥王星の力には及ばないので、現状を受け入れいれるしかないのかもしれません。

続いて、アメリカの冬至図をみます。アメリカの首都ワシントンDCでは、12月21日、早朝の4時21分ごろ、太陽が山羊座に入室して、冬至を迎えます。グランドクラスの1角を占める月が10ハウス、水星が1ハウス、木星は7ハウス、土星は4ハウスにいます。

月は国民をあらわし、10ハウスは国家の最高権力を表す場所です。トランプ大統領が就任して、国民の声によりそえる、国の最高行政機関が順調に起動にのっていきそうな、希望がもてる配置です。ただし、木星が7ハウス、天王星がディセンダントにのっているので、簡単には予見できない、地政学的なリスクは増大しそうです。

太陽が国の財政をあらわす2ハウスにあり、海王星と緊張の角度をとっているところも注意が必要です。国民の期待は大きいけれど、関税を増やしたり、新しい政策を実施するための財政は、いろいろと課題も多く、予期しない問題も発生するかもしれません。

今回の冬至から、来年までの春分までは、来年の3月の末、海王星が牡羊座に入室して新しい時代が始まるまでの、序章のような期間になります。人々は潜在的に、新しい変化には不安を感じ、今まで享受していたものを守ろうとして、抵抗しようとします。古い価値観に縛られていると、時には絶望を感じるかもしれませんが、それを乗り越えていけると、新たな境地を発見できるはずです。

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