石破政権を占う
自民党総裁選は石破氏が当選し、かなり波乱の結果となりました。私は小泉氏と予想していたので、見事に外れてしまいました。今回は、高市氏に期待していた人がいたので、直前の決選投票で、石破氏が勝利し、その直後に株式市場は大暴落、予期できないことが重なり、とても印象深い総裁選となったと思います。
私も運気だけで、選挙を予想することは出来ないと実感しました。あくまでも、運勢的に最も強かったのは、小泉氏だったのですが、結果は石破氏の勝利となりました。ただ、あくまでも占い的に考えてみると、若干40才で、小泉氏の政治家として経験から考えると、今回の総裁選で注目されて、重要な閣僚ポストに抜擢されたとなれば、小泉氏のキャリアとしては、大きな飛躍であり、十分な見返りであったのではないかと思います。逆に、実力以上のポストをこなすことになると、いくら運気がよいといっても、結果が伴わなければ、その反動も大きくなります。彼にとっては、ベストな結果であった、と前向きにとらえたいと思います。
一方石破氏は、1981年に初当選し、自民党幹事長、防衛大臣などの要職を経験し、何度も総裁選にトライしていた、大ベテランです。多少運気が弱くとも、もっている実力と経験が功をなしたということだと思います。占いとして、少し釈明すると、2月4日生まれということで、出生時間がわからないと、ちょっとどうしようもない、という状況もありました。おそらく、空亡に近い低迷期で、総裁選を制するというのは、かなり稀だと思うので、生まれた時間は、午前10時55分の節入り後で、1957年の丁未の年の生まれだと思います。もし、節入り前で、前年の丙午の年の生まれだとすると、来年、2025年の2月3日までは運気がかなり低迷するので、無理をせずに、忍耐強く、乗り越えてほしいと思います。
全体的に、今回の総裁選では、親米派の小泉氏、河野氏が予想に反して敗北し、親中派と言われた石破氏が当選するという、今までの自民党政権の流れに反した、エポックメイキングな総裁選となりました。それだけ、アメリカの覇権が弱まっているということだと思いますが、とくに印象的だったのは、同じく親米派の重鎮、麻生太郎氏の影響力の低下です。麻生氏は、2012年の第二次安倍政権発足以来、菅政権、岸田政権において、12年もの長い期間にわたって、副総裁、時には財務大臣を兼任していたという、自民党のラスボス的な存在でした。しかし、今回は、選挙直前に支持を表明した高市氏は落選、副総裁などの要職からも外れそうです。12年という節目の年を迎えて、第二次安倍政権から続いた、親米派政権も終わりそうです。
選挙の振り返りと、前置きが長くなりましたが、今回は、新しい石破政権について、西洋占星術で占いたいと思います。石破氏個人の運勢をみるのではなくて、あくまでも日本という社会全体についての世相を中心にみます。具体的には、戦後、現在の日本国憲法が公布された、1946年11月3日のホロスコープをもとに、石破氏の出生図を重ねてみます。
1946年11月3日の憲法公布のときの経過図は、日本の始原図の一つとして、一般的によくつかわれているものです。始原図というよりも、日本という国の歴史的な大きなイベントのときのホロスコープというべきかもしれません。日本という国がいつ創立されたのか、ということは簡単には決められないので、占う目的や、占う人の考え方によって、いくつかの始原図が使用され、絶対的にこれが正解というようなものはありません。今回、憲法公布の時のホロスコープを使っているのは、現在の自民党政権の基盤ができたのが、この日本国憲法が制定された戦後直後の時期だからです。
内側の円が憲法公布の時のホロスコープで、外側の円が石破氏の出生図です。憲法公布の時間は、正確にはわかりませんが、午前10時30分に設定してあります。
全体的な印象を率直に言うと、非常に良いと思います。総裁選は想定外の結果で、石破政権は短命で終わるのではないか、と懸念している人もいるかもしれませんが、普通に一年以上は続くと思います。ただし、憲法公布図の冥王星と、石破氏の太陽が反対側の位置にあり、対立する角度をとっているので、今までの政権運営の方針からは真逆の方向性をとろうとして、大きな反発をうけることになるでしょう。
しかし、石破氏は、数秘でみると、9と1のオンパレードなので、古いものを壊して刷新していく、という役割を運命的に背負っています。もともと、不動宮の星座に多くの星をもち、自分が決めた信念は貫こうとする人なので、多少の困難があっても、簡単に妥協する人ではありません。
憲法公布図は、7ハウスと8ハウスの境界付近に、冥王星と土星が配置されています。もともと、外国、とくに同盟国であるアメリカの影響が強く、日本の経済は諸外国との影響に大きく依存しているような状況です。この憲法公布の冥王星に、石破氏の土星が安定的な角度をとっています。岸田政権のように、諸外国にお金をばらまき続けるような外交は、少し抑えられそうです。
同時に、石破氏の土星は、憲法公布図の水星にも重なっています。また、憲法公布図の水星は、石破氏の冥王星と緊張の角度をとっています。水星はメディアをあらわすので、政権と大手メディアとの関係に、何らかの変化があります。今まで、メディアは何を放送しようが、何を放送しなかろうが、誰からも制裁をうけることなく、棒弱無人に好き勝手にやっているという印象でした。が、石破政権になると、さすがにこれは目に余るだろう、というような報道姿勢には、メスが入りそうです。出生図の木星とも良好な関係を示しているので、石破氏個人や新政権に対する報道姿勢も、好意的なものが多くなります。
憲法公布図の太陽は、石破氏の出生図の星たちとは、何の角度をとっていません。石破政権の間に、憲法改正に至るような、重大な出来事は起きません。防衛大臣を歴任してきた石破氏なので、大きな戦争がおきるような、地政学的なリスクは回避してほしいと思います。
国民をあらわす憲法公布図の月は、憲法公布図の水瓶座にいて、石破氏の太陽も水瓶座にいます。冥王星が山羊座から水瓶座に移動する大変革期を迎えようとする変革期を経て、まずは新しい水瓶座時代への一方を、着実に進めそうなホロスコープです。