2024年 秋分図を読む
2024年、9月22日午後21時43分ごろに、日本は秋分を迎えます。秋分は、太陽が天秤座に入室する地点です。秋分から冬至までの、3か月間の運勢をあらわします。一年の中で、日中と夜の時間が丁度同じになるタイミングで、冬至にむけて、徐々に日中時間が短くなります。
9月18日に、満月を迎えてから、それほど日にちがたっていないので、星の配置は、満月図とあまりかわりません。魚座の海王星を頂点にして、冥王星、天王星、太陽が地星座で作るグランドトラインで作る、カイトと呼ばれる複合アスペクトは、顕在です。
カイトを構成する小三角形は、海王星を頂点にして、冥王星、天王星という、動きの遅い外惑星です。この小三角形は、一時的に天王星が離れてしまい、小三角形の形が崩れてしまうことはありますが、長的に見ると、2030年ごろまで続きます。その間、海王星の反対側に惑星がくると、天王星、冥王星とグランドトラインを描くことになり、小三角形と組み合わさって、カイトになります。
海王星を頂点とするカイトなので、海王星と反対側にある惑星が象徴するものの、嘘と欺瞞を暴き、人々の夢や理想を打ち壊していくことになります。今回の秋分図では、太陽が海王星と反対側になるので、国家と言う存在の嘘と欺瞞、国家に対する、人々の夢や理想を砕くということを象徴しています。
太陽は4ハウスにいますが、5ハウスに近い、かなり境界線沿いです。4ハウスは国土をあらわすので、災害への取り組み方が焦点になるかもしれません。しかし、この4ハウスは、物理的な国土の基盤というよりも、もっと歴史的な国家の成立基盤、抽象的な意味での、日本という国家の存在意義そのものが、焦点になりそうな気がします。
満月図と異なっている点は、地球に近い天体である、金星と火星がわずかに進行していることです。その結果、天秤座の金星は、冥王星と90度の角度をとっていることです。冥王星は8ハウス、金星は5ハウスにいるので、投機的なお金の動きが激しくなりそうです。
一方、火星は土星と120度という、協力的な角度をとっています。土星は10ハウスという、国家の最高権力をあらわす場所にいます。国家的な大きな権力による、社会的な制裁、情報統制、その他国民に課せられる義務的なことなど、総じて人々にとっては、あまりうれしくないことが、許容範囲を超えて、行き過ぎてしまういかもしれません。
土星は、MCのもっとも近くにいる天体になっています。ちょうど、総裁選が行われて、新しい政権がスタートしようとする時期に、この土星の配置は、非常に象徴的です。その一方で、議会や政党をあらわす11ハウスには、メジャーな天体はありません。今回の総裁選は、議会や政党など、通常の民主主義的な政治組織によるもの、それ以上の大きな権威が働いていると考えてよいでしょう。
一方、今回の秋分図では、喜ばしい配置もみることができます。豊かさと発展の星、木星はアセンダントにのっています。アセンダントは、国の主権者をあらわし、日本の主権者は、名目上は日本国民なので、国民にとって、本来は喜ばしい配置です。
木星の恩恵を得て、本当に心から、豊かさを感じられる人もいるでしょう。もしそうなら、それは素晴らしいことです。しかし、そんな感じは全くしないというのなら、少し見方を変えるといいでしょう。宇宙の天体が指し示すことを信じるのであれば、むしろ、この3か月間に、豊かさを感じられる人が、日本という国において、真の主権者なのです。
一般的な日本国民は、どんどん貧しくなっていると感じているのなら、本当にこの時期に富を得ている人は、どういう人なのか俯瞰的に観察してみるとよいでしょう。12ハウスにいる月と天王星は、表社会だけで動いている出来事は、一つの幻想にすぎないということを示唆しています。日本の国の真の主権者は誰で、国の行く末を担うことは、誰の意図で、どのように決定されているのか。そこでえられる気づきは、地の時代から風の時代へと移行する、激動の時代を生き抜くための、大きな原動力となるでしょう。
続いてアメリカの秋分図をみます。アメリカの首都ワシントンDCでは、9月22日の午前7時34分ごろに秋分を迎えます。アメリカもまた、MCに火星がのるという、かなり強烈な秋分図です。火星は、6ハウスにいる土星と協力的な角度をとっています。6ハウスは軍事をあらわすハウスなので、地政学的なリスクに注意が必要な星の配置となっています。
星の配置は、地球上で共通なので、海王星の反対側に、国家をあらわす太陽が位置していることは、アメリカでも同じです。アメリカでも、国家と言う存在の嘘と欺瞞を暴き、国家に対する、人々の夢や理想に揺さぶるようなことがおきます。しかし、12ハウスの太陽なので、メジャーなニュースに報道されるような出来事ではないでしょう。
秋分図は、冬至までの3か月間をあらわします。次の冬至までの間に、冥王星は逆行から順行にもどり、山羊座から水瓶座に移動します。そして、水瓶座にしばらく滞在して、魚座へ移動していくので、その間に山羊座に戻ることはありません。
まさに、冥王星山羊座時代が終わろうとしているときに、海王星と太陽が頂点になるカイトができるということは、非常に象徴的です。ただ単に、国家という理想的な共同体の崩壊というものにとどまらず、国家を頂点とした、社会システムの構造そのものが、根本から崩れていくような事柄を、私たちは体感していくことになるでしょう。