2025年12月22日 冬至図をよむ
2025年12月22日は冬至です。冬至は一年のうちで、最も昼間の時間が短い時であり、太陽の力が最も弱まる日です。占星術では、太陽が山羊座に入室するタイミングで、その瞬間のホロスコープが冬至図です。
冬至図は、冬至から春分まで、3か月間の世相をあらわします。前回の秋分図では、海王星と土星を頂点にして、冥王星と天王星の外惑星、さらには、海王星の反対側に太陽が配置された、カイトと呼ばれる複合アスペクトが描かれていました。そして、太陽を真ん中にして、金星と火星が太陽から均等の距離に配置されていました。とくに、金星はアセンダントの上にのっており、とても影響力が強くなっていました。金星は女性をあらわし、太陽は国家をあらわすので、女性の役割によって、国家的な規模での、大きな変容がもたらされることをほのめかす秋分図でした。
秋分図があらわすとおり、日本で初の女性首相が誕生し、女性の政治的な活躍に注目があつまる秋分期間となりました。12月22日の冬至図では、金星は太陽のそばにいて、依然、国家のサポートをするためによりそっています。一方、海王星と土星の反対側には、メジャーな天体はなく、カイトの形は消えています。かわりに、太陽と金星、火星が海王星と土星に、緊張の角度をとっています。

とくに、火星がICにぴったりと重なっていることが、冬至図の最大の特徴です。海王星と土星は軍事をあらわす6ハウスにあり、ICは国土の状態にあるので、地政学的なリスクが、このからの3か月間、もっとも大きなテーマとなりそうです。
太陽と金星、水星は3ハウスに入っており、情報をあらわす3ハウスには、もっとも天体が集まっています。軍事的、地政学的なリスクがありますが、実際にミサイルが落ちたりして、物理的な損害を被るというよりも、情報戦によって、必要以上に危険性が強調される傾向があります。恐怖を煽る言動に、簡単に操られるのが、人間の性ですが、このことをいつも以上に意識して、冷静になる必要があります。
国民をあらわす月は、蟹座の木星とほぼ反対側で、山羊座にいます。国をまもろうとする蟹座の木星は、6ハウスにいる海王星と土星とも協力的ですが、国民は木星が守ろうとする豊かさに対して、かなり懐疑的です。これは、木星が守ろうとする力が弱いと感じる場合もあるし、木星が守ろうとするものに、何らかの違和感を感じて反発する、ということもあるでしょう。国民の意識は、一つではありません。簡単に国のため、国家のため、日本人のため、といっても様々な立場があって、人々が揺れ動く状態があらわれています。
続いて、アメリカの冬至図をみます。アメリカの首都ワシントンDCでは、2025年12月21日、午前10時3分に、冬至を迎えます。6ハウスにある木星を除いて、全ての天体が左半分に収まっている、冬至図になります。
ホロスコープの右半分は、外国との関係、外交をあらわし、左半分は内政、国内の状況を意味します。木星は、ウクライナやイスラエル、ベネズエラとの関係など、地政学的な軍事リスクを象徴し、アメリカの国政にも影響を及ぼします。が、この冬至期間中の大きな焦点は、アメリカ国内でおこる、様々な出来事や問題に移っていきます。2026年は、アメリカの連邦議会や地方議会等で実施される中間選挙の年となるので、選挙にむけての序章のような期間が、この冬至期間となりそうです。

国民をあらわす月と、破壊と再生を意味する冥王星が12ハウスです。情報やメディアをあらわす水星が10ハウス、太陽、金星、火星が議会をあらわす11ハウスです。選挙に直接的にかかわってくるような、積極的な情報戦が繰り広げられる中、表にはでてこないような裏の事情も大きく動き、国民の意識は、公の情報だけを鵜呑みにできないと感じながら、様々な思惑を巡らせていきます。
星の配置の中心的な存在である海王星と土星は、1ハウスと2ハウスの境界線にいて、お金をあらわす2ハウスと8ハウスには、星が入っていません。秋分期間中に、アメリカの株式市場は、順調な上昇を成し遂げましたが、冬至期間中は様子見ムードが強く、来年以降の行方を想定しながら、場合によっては一度調整しそうな雰囲気です。
感受点にもっとも接近している天体は、ICの近くにいる天王星です。国土の状態や、国民の安全や安心にかかわる意識に、予想をはるかに超えるような急激な変化や予期せぬできごとが起こりそうです。必ずしも災害や内戦をあらわすような、物理的な障害だけを意味しません。家が高すぎて買えない、住宅ローンが払えない、ローンを組めない、安心を感じられるような家や家族、それを支える国の政策が、従来通りのシステムでは機能しなくなるので新しい仕組みや抜け道のような戦略が注目される、そのような変化も、ICの天王星が意味する象意の一つです。
今回の冬至期間は、海王星と土星がそろって魚座にいる、最後の段階になります。海王星と土星は、来年の2月21日、春分を迎える一ヶ月前に、牡羊座に移動します。そして、海王星と土星が牡羊座に移動性からむかえる春分では、太陽、海王星、土星だけではなく、金星と月も牡羊座に入る、牡羊座祭りです。国家体制という表向きの在り方だけでなく、国民の潜在意識も新しく刷新される、大きな切り替えになります。
この冬至期間は、新たな春分の日を迎える前の、重要な準備期間です。実際に古いシステムが終了する気配はなかったとしても、来年の春からは、全てのものが、ほぼ強制的に新しく生まれ変わっていきます。2026年から始まる新しい時代をどのように生きるのか、この点に意識を向けることが重要です。冬至期間中に、上手くいかなかったことは、気にする必要はありません。上手くいこうが、上手くいかなろうが、全てものが、刷新されていくからです。