02 西洋占星術,  10 金融経済

米国債を占う

アメリカの国債、米国債 (United States Treasury security)米国財務省証券 を西洋占星術で占います。近年、米国の政府債務は、年々過去最高記録を更新し続けているので、米国債の債務不履行、デフォルトリスクは、今までも何度か話題になりました。米国政府が発行できる国債の総額は法律によって定められているので、政府債務が上限を超えると、上限を引き上げるために、議会の手続きが必要になり、議会の承認が得られないと、米国は債務不履行に陥り、米国債はデフォルトします。

デフォルトリスクが話題になるたびに、年に何度かある議会の手続きは、単なる儀礼的なものだとして、あまり深刻にはみられていませんでした。確かに、米国の債権市場は55兆ドルもあり、世界の債権市場の約4割も占めていて、絶対的な安全資産として取引されている米国債が、議会の承認が得られず、あっけなくデフォルトしてしまうというシナリオは、あまり現実的ではありません。

しかしその一方で、米国債が圧倒的な安全資産である、という米国の信用そのものが、揺らいできており、外国人投資家による米国債離れが、徐々に進んできています。米国はコロナ対策の資金を捻出するため、短期の国債を量産してきました。多額の資金が市場に流入することにより、総体的に物価が上昇し、FRBはインフレ対策のために積極的な利上げを実施し、国債の利回りも上昇し、その利払いだけで、1兆ドルを超えています。

政府財務の悪化と同時に、ロシアとウクライナの間で戦争がはじまると、米国ドルの総体的価値が弱まりました。米国と敵対関係になれば、ドル資産が無効になるという前例を作ったことにより、中国やBRICS諸国は、ドル資産を売って、金を買うという動きを加速しています。

米国ドルの価値が減少したたことは、米国ドルの基軸通貨としての地位が揺らぎ始めていることをほのめかしています。もし、米国がもはや基軸通貨でなくなり、原油やその他の物資が、円や中国元やビットコインのようなもので買えるとしたら、これから毎年のようにデフォルトリスクに直面しつづけるであろう米国債を、これからも外国人投資家が買い続けるでしょうか?

前置きが長くなりましたが、このような現実を踏まえた上で、西洋占星術で、米国債を占いたいと思います。アメリカが最初の米国債の「誕生日」、つまり最初に国債行したのは、1775年6月22日のことです。アメリカが独立するのが、1976年7月4日なので、アメリカの国の「誕生日」より、約1年ほど前です。国の誕生よりも、国の債権の発行の方が早い、というのはかなり珍しいと思います。人間に例えると、妊娠がわかった時点で、子どもが生まれてくる前に、両親が信託銀行に口座を開設するようなものでしょうか。生まれる前から、お金に不自由しないように、手厚くまもられている、経済的に豊な家系の出身という感じです。ただし、子どもの時から、ふんだんに使える資金が常にあって、全くお金の管理をしなくても生きていける一方で、大人になっても、親に財布の紐を握られているような状況でもあります。

米国債の「誕生日」をもとに、出生図を作成します。6月22日というのは、夏至を迎えた直後くらいで、太陽は蟹座の0度です。蟹座の24度には水星、双子座の6度に木星がいて、水星と木星のちょうど真ん中に、太陽があります。

蟹座の太陽は、アメリカという国家の利益を守ろうとしますが、まだ、蟹座に入ったばかりで、まだ蟹座的な力は十分に発揮できません。しかし繁栄と豊かさをあらわす木星と、情報と緻密な計算力を発揮できる水星で、しっかりと守られています。

そして、水星のほぼ反対側には、冥王星がいて、睨みをきかせているような配置です。冥王星は天秤座の土星と協力的であり、土星はまた木星とも、協力的です。様々な情報ソースを駆使しながら、ブレーキとアクセルを上手く使いこなしながら操業できるように、絶対的な権力をもっている冥王星が、常に監視しているような状況です。

この米国債の出生図と2025年の秋分図の星の配置を重ねてみます。秋分図では、海王星と土星が太陽の反対側にあり、カイトの軸を描いていました。その軸の上に、出生図の土星がのるような形で、秋分の太陽と接近しています。非常にきつい状態ではありますが、カイトというのは、困難の中でも、底力を発揮して、上手く乗り越えられる状況を表していることが多いです。問題があることが、もはや隠せなくなっていき、楽観的な状況から現実的な視点で、腰をすえて取り組まざるを得なくなるような時です。

山羊座26度にある冥王星は、2021年から2022年の頃に、またもといた位置に戻ってきて、冥王星回帰の時期にあたっていました。ちょうど、このころから、米国の政府債務が加速度をつけて、膨れ上がってきたはずです。

秋分図では、天王星が双子座の1度にあり、出生図の天王星と徐々に近づいています。天王星が元の位置にもどってくる天王星回帰の時期は、2026年7月、2026年11月、2027年4月です。天王星は、テクノロジーや貨幣をあらわす天体です。アメリカのステーブルコインと米国債をどう連携させるのか、来年の7月くらいには、もう少し具体的にみえてくることになりそうです。

同時に、天王星は予期せぬ変化、革新的な発展をあらわすので、2026年から2027年にかけて、米国の金融システム大きくかわっていくことが読み取れます。債務不履行になってデフォルトするというよりは、債券の形が、何か他のものにすりかわっていくような、そんな変化だと思います。

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