2026年 丙午 (ひのえうま) の年
2026年は60干支でみると、丙午 (ひのえうま) の年です。60干支は、60干支は、甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸からなる10個の干と、子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥の12支の組み合わせで成り立ち、干も支も、それぞれ、陰陽の要素があり、陰の干は陰の支、陽の干は陽の支と結びついて、60個の干支があります。
10干には、木、火、月、金、水の五行が、それぞれ、陽と陰の要素をもち、丙は、火の五行で陽の干です。10干はそれぞれ、自然界にあるもので例えられますが、火の陽である丙は、天高く輝く太陽であり、激しく情熱的で、明るくて陽気、人から脚光を浴びることで、より輝く能動的な星です。

一方、12支は、「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」の総称であり、古代から、日付、時刻、方位などを表す記号として、使われてきました。12支の起源は、天文天の赤道帯を十二分し、木星の位置で年を記録する、古代中国の十二辰 (じゅうにしん) にあるとされています。12支をもちいた、東洋の占いが十二年周期であるのと、木星が約12年で黄道を一周することは、単なる偶然ではありません。
12支にも、それぞれ10干の要素がわりあてられており、午がもっているのは、丙と丁、己です。午は12支の中で、最も火のエネルギーが強く、方位であれば南、季節をあらわすのは夏、時間でみれば、その名があらわすとおり、正午、昼の12時をあらわします。従って、丙午という干支は、60ある干支の組み合わせの中で、火のエネルギーをあらわす丙と、もっとも火のエネルギーが強い午が組み合わさった、火のエネルギーが最大限に強くなった陽の干支になります。
火のように激しく、情熱的に燃え盛り、太陽のように熱く、明るく輝く星なので、丙午の年に生まれた女性は、気性が激しいと言われ、実際に60年前の1966年には、出産をさける人が多かったと言われています。もっとも、丙午年の生まれだから、丙午のような性格になるというわけでもないし、丙午の影響をうけることが、必ずしも良くない結果になるというわけでもありません。干支には、吉凶も善悪もなく、そのエネルギーの特性をどのように生かし、どのように活用するかということに、何らかの意味があるのです。
60年前の丙午の年、1966年がどのような年であったか、振り返ってみたいと思います。1966年は、1965年から始まったいざなぎ景気が本格化し、「3C」と呼ばれた、車、カラーテレビ、クーラーが普及し、より人々の生活が便利になるように、大きく変わっていった年です。中国では文化大革命がはじまり、アメリカではベトナム戦争が拡大、世界的にも変化が大きかった年といってよいでしょう。
投資の世界では、「辰巳天井、午尻下がり」と言われ、午年は辰年と巳年の上昇後で、12年でもっとも反落しやすい年とされますが、60年前の1966においては、あてはまりません。辰年の1964年、日経平均の終値は1216.55円、巳年の1965年は1417.83円、午年の1966年も順調にあがり、終値は1452.10円となっています。
西洋占星術で、1966年の春分図をみると、冥王星と天王星がICにのっている、とても力強い配置です。地星座の乙女座が象徴するように、テクノロジーによって、実生活がより合理化されて、生活が便利になっていく社会をあらわしています。

1966年の春分時には、木星は双子座で土星は魚座にいます。土星は冥王星と天王星に対して対立する角度をとっていますが、木星が土星と二つの外惑星の中間にいて、それぞれの天体に対して、90度の角度をとっています。土星は、安易な合理化やシステム化に対して、厳しい眼差しをむけていますが、より社会的な豊かさを享受するように、木星がサポートしているようです。
1966年には、土星は魚座、木星は双子座にいましたが、2026の春分の時は、土星は牡羊座、木星は蟹座にいます。そして、6月30日に、木星は蟹座から獅子座に移動します。60年ごとに一周する、干支暦では、木星と土星の公転周期に連動していることが多いのですが、2026年の丙午の年では、牡羊座と獅子座という、火星座に木星と土星がかかわってくるので、より火の要素が強い年となります。必ずしも、丙午だから、木星と土星が火星座となるわけではないので、とても象徴的な一年になりそうです。
そもそも、西洋占星術の4元素と、東洋の五行のエネルギーは、全く異なったものを象徴しているので、安易な比較をするのは適切ではありません。しかしながら、火のエネルギーについては、西洋の4元素と五行陰陽説において、共通するものが多いです。火は、人々の揺るぎない意志と情熱、自我とアイデンティティ、モチベーションなどをあらわします。
4元素や五行に、吉凶や善悪はないので、火のエネルギーが強いからといって、良い年なるとか、悪い年になるという、わけではありません。しかし、より人々の感情が動きやすく、活発に行動し、社会が大きく変容しやすい、ということは、間違いありません。火のエネルギーを、どのように活用するか、何に対して、どのような目的のために行動するのか、ということによって、結果は大きく異なっていくでしょう。2026年、丙午の年をどのようにしたいのか、一人一人が抱く希望が、より重要な年だと言えます。